経鼻内視鏡頭蓋底手術の進歩
内視鏡手術の進歩に伴い, 経鼻内視鏡頭蓋底手術 (endoscopic endonasal skull base surgery: EESS) が普及しつつあり, 低侵襲でかつ良好な治療成績が報告されている. EESS の主な対象は, 下垂体腺腫, ラトケ嚢胞, 頭蓋咽頭腫, 髄膜腫, 脊索腫, 副鼻腔腫瘍, 嗅神経芽細胞腫など, 正中近傍の頭蓋底疾患である. EESS の背景を経鼻内視鏡手術の歴史から学び, 開頭術とは異なる手術アプローチを理解するため, 鼻・副鼻腔を含めた頭蓋底外科解剖を習得することが重要である. 今後 EESS を発展させるために, さらに高性能の内視鏡や新たな手術器具の...
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Published in | 日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 119; no. 3; pp. 168 - 174 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
20.03.2016
日本耳鼻咽喉科学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0030-6622 1883-0854 |
DOI | 10.3950/jibiinkoka.119.168 |
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Summary: | 内視鏡手術の進歩に伴い, 経鼻内視鏡頭蓋底手術 (endoscopic endonasal skull base surgery: EESS) が普及しつつあり, 低侵襲でかつ良好な治療成績が報告されている. EESS の主な対象は, 下垂体腺腫, ラトケ嚢胞, 頭蓋咽頭腫, 髄膜腫, 脊索腫, 副鼻腔腫瘍, 嗅神経芽細胞腫など, 正中近傍の頭蓋底疾患である. EESS の背景を経鼻内視鏡手術の歴史から学び, 開頭術とは異なる手術アプローチを理解するため, 鼻・副鼻腔を含めた頭蓋底外科解剖を習得することが重要である. 今後 EESS を発展させるために, さらに高性能の内視鏡や新たな手術器具の開発が必要であり, 手術精度向上と不測な事態への対応力を上げるため, 耳鼻咽喉科と密接な連携が重要である. |
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ISSN: | 0030-6622 1883-0854 |
DOI: | 10.3950/jibiinkoka.119.168 |