内視鏡下副鼻腔手術新分類の解釈と対応

現在, 副鼻腔炎に対する鼻科手術と言えば, 内視鏡下副鼻腔手術(Endoscopic sinus surgery, ESS)が標準術式である. しかし, 従来, 各副鼻腔の名称を組み合わせた副鼻腔根治術の名称が保険傷病名で汎用され, 実態に則していない状況であった. そこで, 定型的なESSの標準化した手術分類を確立させ, 学会での発表や論文作成に際し, また術前後での機能評価を共有できるようにすることを目的とした. 新分類は以下の項目を加味して作成された. (1)中鼻道自然口を中心としたアプローチを基本とし, 各洞を開窓および開放し病的粘膜を処置する (2)開放する副鼻腔の洞数で難易度に差を...

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Published in日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 118; no. 7; pp. 898 - 899
Main Author 春名, 眞一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会 20.07.2015
日本耳鼻咽喉科学会
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ISSN0030-6622
1883-0854
DOI10.3950/jibiinkoka.118.898

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Summary:現在, 副鼻腔炎に対する鼻科手術と言えば, 内視鏡下副鼻腔手術(Endoscopic sinus surgery, ESS)が標準術式である. しかし, 従来, 各副鼻腔の名称を組み合わせた副鼻腔根治術の名称が保険傷病名で汎用され, 実態に則していない状況であった. そこで, 定型的なESSの標準化した手術分類を確立させ, 学会での発表や論文作成に際し, また術前後での機能評価を共有できるようにすることを目的とした. 新分類は以下の項目を加味して作成された. (1)中鼻道自然口を中心としたアプローチを基本とし, 各洞を開窓および開放し病的粘膜を処置する (2)開放する副鼻腔の洞数で難易度に差をつける (3)副鼻腔炎に伴う頭蓋底, 眼窩内手術を含める (4)副鼻腔炎に伴う前頭洞単洞手術を含める (5)従来の上顎洞根治術および前頭洞根治術を残す (6)従来の鼻科手術名をできるだけ包括できるようにする (7)外保連試案の手術技術度区分を分類に組み込む
ISSN:0030-6622
1883-0854
DOI:10.3950/jibiinkoka.118.898