音声障害を来す疾患の診断と治療

「1. 音声障害の診断」「1)診断の流れ」音声障害を主訴とする患者に対しては, 問診の時, 同時に声の聴診を行う(GRBAS尺度評価). 引き続き内視鏡検査を行うが, 隆起性病変や声帯麻痺など, 多くの場合は内視鏡検査で診断がつく. しかし, 声帯病変の状態をより正確に把握するためには喉頭ストロボスコピー検査が必須であり, 声帯の硬化性病変(瘢痕や萎縮)はストロボスコピーでないと診断がつかない. 空気力学的検査(最長発声持続時間, 平均呼気流率, 喉頭効率など)や音響分析(周波数ゆらぎ, 振幅ゆらぎ, 雑音パラメータ)は補助的検査であるが, 音声障害の状況, および重症度を知るのに有用な検査で...

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Published in日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 117; no. 6; pp. 834 - 837
Main Author 平野, 滋
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会 20.06.2014
日本耳鼻咽喉科学会
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ISSN0030-6622
1883-0854
DOI10.3950/jibiinkoka.117.834

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Summary:「1. 音声障害の診断」「1)診断の流れ」音声障害を主訴とする患者に対しては, 問診の時, 同時に声の聴診を行う(GRBAS尺度評価). 引き続き内視鏡検査を行うが, 隆起性病変や声帯麻痺など, 多くの場合は内視鏡検査で診断がつく. しかし, 声帯病変の状態をより正確に把握するためには喉頭ストロボスコピー検査が必須であり, 声帯の硬化性病変(瘢痕や萎縮)はストロボスコピーでないと診断がつかない. 空気力学的検査(最長発声持続時間, 平均呼気流率, 喉頭効率など)や音響分析(周波数ゆらぎ, 振幅ゆらぎ, 雑音パラメータ)は補助的検査であるが, 音声障害の状況, および重症度を知るのに有用な検査である. 唯一, 患者の主観的評価として, voice handicap index(VHI)がある. 30項目の質問票であるが, 最近ではより簡便な10項目からなるVHI-10が世界中で頻用されている.
ISSN:0030-6622
1883-0854
DOI:10.3950/jibiinkoka.117.834