下腿に発生したグロームス腫瘍の1例

症例)70歳男性.10年前から右下腿後面に有痛性の結節を認めるも放置.腫瘤の増大傾向は認めないが,圧痛が著明となり受診.腫瘤は15×13mmの暗赤色で表面軽度膨隆し,弾性硬で境界明瞭な結節性病変を認めた.レントゲンで軟部組織・骨に異常所見は認めず,MRIでは皮下組織に留まるT1強調画像で低信号,T2強調画像では高信号で内部均一かつ境界明瞭な腫瘍を認めた.試験切除をかねた腫瘍切除術を施行.腫瘍は境界明瞭であり皮膚の結節性病変ごと切除し,グロームス腫瘍の病理診断を得た.現在腫瘍再発もなく疼痛も消失している.考察)皮膚病変を伴い下腿に発生したグロームス腫瘍の稀な1例を経験した.有痛性の軟部腫瘍の場合...

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Bibliographic Details
Published in整形外科と災害外科 Vol. 57; no. 4; pp. 599 - 602
Main Authors 馬場, 雄大, 馬場, 貴子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2008
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.57.599

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Summary:症例)70歳男性.10年前から右下腿後面に有痛性の結節を認めるも放置.腫瘤の増大傾向は認めないが,圧痛が著明となり受診.腫瘤は15×13mmの暗赤色で表面軽度膨隆し,弾性硬で境界明瞭な結節性病変を認めた.レントゲンで軟部組織・骨に異常所見は認めず,MRIでは皮下組織に留まるT1強調画像で低信号,T2強調画像では高信号で内部均一かつ境界明瞭な腫瘍を認めた.試験切除をかねた腫瘍切除術を施行.腫瘍は境界明瞭であり皮膚の結節性病変ごと切除し,グロームス腫瘍の病理診断を得た.現在腫瘍再発もなく疼痛も消失している.考察)皮膚病変を伴い下腿に発生したグロームス腫瘍の稀な1例を経験した.有痛性の軟部腫瘍の場合,常に本疾患を念頭におき診療に当たる必要性があると思われる.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.57.599