強直性脊椎炎に対し両人工股関節全置換術を施行した1例

強直性脊椎炎により両股関節に高度な関節症を生じた症例に対し両人工股関節全置換術を施行し歩容の改善を経験したので報告した.症例は51歳,男性で29歳時,強直性脊椎炎と診断され,NSAIDsのみにて加療されていた.術前X線写真では全脊椎にわたり椎間関節は癒合し,両股関節の関節裂隙は消失し,臼底はひ薄化し,内側への突出をきたしていた.2008年11月,左THA施行.術後よりMTX投与開始.2009年1月,右THA施行.麻酔は両側とも気道ブロックを併用し,全身麻酔で行った.術中,関節内には著名な滑膜の増殖を認め,臼底にも滑膜の浸入を認めた.臼底をリーミング後,滑膜浸入部を掻爬し,臼底に骨頭をチップ状に...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 59; no. 1; pp. 146 - 148
Main Authors 田山, 尚久, 山岡, 和弘, 入江, 学, 原口, 和史, 加茂, 健太, 佐々木, 聡明, 川本, 泰作
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2010
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.59.146

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Summary:強直性脊椎炎により両股関節に高度な関節症を生じた症例に対し両人工股関節全置換術を施行し歩容の改善を経験したので報告した.症例は51歳,男性で29歳時,強直性脊椎炎と診断され,NSAIDsのみにて加療されていた.術前X線写真では全脊椎にわたり椎間関節は癒合し,両股関節の関節裂隙は消失し,臼底はひ薄化し,内側への突出をきたしていた.2008年11月,左THA施行.術後よりMTX投与開始.2009年1月,右THA施行.麻酔は両側とも気道ブロックを併用し,全身麻酔で行った.術中,関節内には著名な滑膜の増殖を認め,臼底にも滑膜の浸入を認めた.臼底をリーミング後,滑膜浸入部を掻爬し,臼底に骨頭をチップ状にし自家骨移植した.歩行能力は術前伝い歩きレベルであったが,術後は一本杖で階段昇降も可能となった.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.59.146