ヒト免疫不全ウイルス (HIV) 感染を合併した頭頸部癌症例

近年 HIV 感染者の予後は飛躍的に向上しているが, HIV 感染者における非 AIDS 指標悪性腫瘍による死亡の割合は増加している. 本邦では非 AIDS 指標悪性腫瘍である頭頸部癌の報告は極めて少ない. 当科で治療を行った HIV 感染合併頭頸部癌4症例について検討を行った. 症例は全例男性, 年齢の中央値は51歳, 部位は中咽頭癌2例, 舌癌1例, 喉頭癌1例であった. いずれも進行がんであり, 化学放射線療法をはじめとした一次治療の結果, 腫瘍縮小は認めたものの, 2例に治療後早期に局所再発を認め, 1例では頸部リンパ節転移巣の制御ができなかった. HIV 感染合併頭頸部癌の予後が悪い...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 121; no. 2; pp. 127 - 133
Main Authors 齊藤, 祐毅, 福岡, 修, 山岨, 達也, 岡本, 拓也, 明石, 健, 吉田, 昌史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会 20.02.2018
日本耳鼻咽喉科学会
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0030-6622
1883-0854
DOI10.3950/jibiinkoka.121.127

Cover

More Information
Summary:近年 HIV 感染者の予後は飛躍的に向上しているが, HIV 感染者における非 AIDS 指標悪性腫瘍による死亡の割合は増加している. 本邦では非 AIDS 指標悪性腫瘍である頭頸部癌の報告は極めて少ない. 当科で治療を行った HIV 感染合併頭頸部癌4症例について検討を行った. 症例は全例男性, 年齢の中央値は51歳, 部位は中咽頭癌2例, 舌癌1例, 喉頭癌1例であった. いずれも進行がんであり, 化学放射線療法をはじめとした一次治療の結果, 腫瘍縮小は認めたものの, 2例に治療後早期に局所再発を認め, 1例では頸部リンパ節転移巣の制御ができなかった. HIV 感染合併頭頸部癌の予後が悪いことが示唆された.
ISSN:0030-6622
1883-0854
DOI:10.3950/jibiinkoka.121.127