大腿骨頚部骨折に対するハンソンピンをもちいた骨接合術の治療経験

大腿骨頚部骨折に対してハンソンピンを用いて従来の適応を拡大した骨接合術の治療成績を検討した. 対象は2003年11月~2005年12月までにハンソンピンで治療した大腿骨頚部骨折37例(修正Garden分類別1:6例,2:10例,3a:16例,3b:3例,4:2例)で,X線評価(骨癒合状態)と歩行能力を検討した. 追跡可能であった37例中,骨癒合は30例.骨癒合率は,Stage 1,2:100%,3a:88%,3b:0%,4:0% であった.Stage 3b,4では骨癒合,歩行能力の面からも不十分であった.再転位例中5例は術中整復不良,2例は長期ステロイド服用者,1例は透析患者であった.骨癒合に...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 56; no. 2; pp. 176 - 178
Main Authors 行田, 義仁, 駿河, 保彰, 高口, 太平, 重盛, 廉, 小柴, 民子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2007
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.56.176

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Summary:大腿骨頚部骨折に対してハンソンピンを用いて従来の適応を拡大した骨接合術の治療成績を検討した. 対象は2003年11月~2005年12月までにハンソンピンで治療した大腿骨頚部骨折37例(修正Garden分類別1:6例,2:10例,3a:16例,3b:3例,4:2例)で,X線評価(骨癒合状態)と歩行能力を検討した. 追跡可能であった37例中,骨癒合は30例.骨癒合率は,Stage 1,2:100%,3a:88%,3b:0%,4:0% であった.Stage 3b,4では骨癒合,歩行能力の面からも不十分であった.再転位例中5例は術中整復不良,2例は長期ステロイド服用者,1例は透析患者であった.骨癒合には整復状態と骨脆弱性を来たす合併症が関与していると考えられた.適応はStage 3aまで可能と考えるが,3bと4に関しては合併症のデメリットを症例ごとに十分検討し,手術法・後療法を含めた治療方針を決定すべきである.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.56.176