黄色靭帯嚢腫手術例の検討

黄色靭帯嚢腫で臨床症状を呈した5症例(6嚢腫)を報告する.【対象と方法】全例男性,年齢56~87歳(平均61.5歳).全例,摘出後の病理検査にて本症と診断した.術後経過観察期間は3~37ヵ月(平均11.5ヵ月).臨床像と病理所見を検討した.【結果と考察】全例が下肢痛を,4例は間欠跛行を訴えていた.MRI上,嚢腫は片側硬膜の後方に存在し,T2強調像で内部の高輝度域を輪状の低輝度が取り囲む所見であった.3例では準ラブ法により,1例ではSCD(半全周性除圧)により,開窓術後に生じた1例ではen-block laminectomyにより,嚢腫を摘出した.術中所見では嚢腫は黄色靭帯内に存在し,病理検査で...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 56; no. 2; pp. 246 - 250
Main Authors 金谷, 文則, 佐藤, 栄, 野原, 博和, 三好, 晋爾
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2007
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.56.246

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Summary:黄色靭帯嚢腫で臨床症状を呈した5症例(6嚢腫)を報告する.【対象と方法】全例男性,年齢56~87歳(平均61.5歳).全例,摘出後の病理検査にて本症と診断した.術後経過観察期間は3~37ヵ月(平均11.5ヵ月).臨床像と病理所見を検討した.【結果と考察】全例が下肢痛を,4例は間欠跛行を訴えていた.MRI上,嚢腫は片側硬膜の後方に存在し,T2強調像で内部の高輝度域を輪状の低輝度が取り囲む所見であった.3例では準ラブ法により,1例ではSCD(半全周性除圧)により,開窓術後に生じた1例ではen-block laminectomyにより,嚢腫を摘出した.術中所見では嚢腫は黄色靭帯内に存在し,病理検査で線維性嚢腫壁が懐死組織を取り囲む像であった.腰椎スコアは術前平均13点,術後25点,平均改善率は79%であった.摘出後1年で同一椎間の反対側に本症を発症した1例を経験し,術後の経過観察が必要と考えた.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.56.246