左仙腸関節脱臼骨折の1例

我々は,左仙腸関節脱臼骨折の1例を経験したので報告する.症例は44歳,女性.重機と後進してきたトラックとの間に挟まれ受傷し当院へ搬送された.単純X線,CTにて左仙腸関節脱臼骨折を認めた.血管造影にて骨盤腔内の動脈性出血は認めなかった.術前に左脛骨より鋼線牽引を行い,受傷後16日目,観血的脱臼整復及び骨接合術を施行した.術後6週より荷重訓練,9週より1/2部分荷重を開始した.10週より松葉杖歩行とし,14週で退院となった.仙腸関節脱臼骨折の治療法としては(1)前方アプローチでのプレート固定,(2)後方アプローチでのプレート固定,(3)iliosacral screwによる固定の報告が認められる....

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 57; no. 3; pp. 397 - 400
Main Authors 田山, 尚久, 里村, 匡敏, 田中, 孝明, 原口, 和史, 平野, 薫, 香月, 一朗, 平田, 正伸, 澤口, 毅, 藤田, 秀一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2008
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.57.397

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Summary:我々は,左仙腸関節脱臼骨折の1例を経験したので報告する.症例は44歳,女性.重機と後進してきたトラックとの間に挟まれ受傷し当院へ搬送された.単純X線,CTにて左仙腸関節脱臼骨折を認めた.血管造影にて骨盤腔内の動脈性出血は認めなかった.術前に左脛骨より鋼線牽引を行い,受傷後16日目,観血的脱臼整復及び骨接合術を施行した.術後6週より荷重訓練,9週より1/2部分荷重を開始した.10週より松葉杖歩行とし,14週で退院となった.仙腸関節脱臼骨折の治療法としては(1)前方アプローチでのプレート固定,(2)後方アプローチでのプレート固定,(3)iliosacral screwによる固定の報告が認められる.前方アプローチでのプレート固定では直視下にて正確に整復固定できるという利点があり,今回,仙腸関節脱臼骨折に対し前方アプローチにて仙腸関節用プレートによる固定を行った.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.57.397