有鉤骨鉤骨折の自然治癒例

有鉤骨鉤骨折の自然治癒例と思われた1例を経験したので報告する.症例:19歳男性 バイク走行中に左手をついて転倒した.初診時のX線では異常を認めなかったため,外固定は行われなかった.受傷後1ヵ月,軽度の疼痛が持続するためCTを行い鉤基部に骨折を認めた.ギプス固定を勧めたが同意が得られず,大学生として普通に生活した.受傷後3ヵ月のCTで骨の連続性を認め,受傷後8ヵ月の最終調査時には完全に骨癒合し,全く症状を認めなかった.この症例は挫創のため約1ヵ月手を使えなかったこと,非利き手であったこと,バイクに乗らなかったことが骨癒合に有利に働いたと考えられた.しかし骨折に対するギプスや低出力超音波パルスなど...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 56; no. 4; pp. 536 - 537
Main Authors ファン, ジョージ, 木村, 一雄, 尾上, 英俊, 山口, 史彦, 中村, 厚彦, 松永, 和剛, 濱田, 賢治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2007
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.56.536

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Summary:有鉤骨鉤骨折の自然治癒例と思われた1例を経験したので報告する.症例:19歳男性 バイク走行中に左手をついて転倒した.初診時のX線では異常を認めなかったため,外固定は行われなかった.受傷後1ヵ月,軽度の疼痛が持続するためCTを行い鉤基部に骨折を認めた.ギプス固定を勧めたが同意が得られず,大学生として普通に生活した.受傷後3ヵ月のCTで骨の連続性を認め,受傷後8ヵ月の最終調査時には完全に骨癒合し,全く症状を認めなかった.この症例は挫創のため約1ヵ月手を使えなかったこと,非利き手であったこと,バイクに乗らなかったことが骨癒合に有利に働いたと考えられた.しかし骨折に対するギプスや低出力超音波パルスなどの医学的な治療は行っていないにもかかわらず骨癒合が得られた.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.56.536