小児救急疾患への対応
救急外来で小児を診察する際に難しい点は, こどもは自分で自分の症状を説明することもできないことである. 最近の小児死因統計では乳幼児の死因で最も多いのは不慮の事故とされており, 親がちょっと目を離した数分間に生じやすい. 「異物誤嚥」「1. 咽頭異物」間接喉頭鏡や処置用内視鏡を用いて摘出するか, 全身麻酔下に喉頭鏡下に摘出する. 小児は処置で暴れることが多く, 下咽頭に嵌頓している異物などは取れなかったり損傷することもあるため, 状況によっては無理せず最初から全身麻酔下に摘出術を行う方がよい. また, ボタン電池(リチウム電池)は粘膜に介在すると放電し, マイナス極側にアルカリ性の液体を作って...
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Published in | 日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 120; no. 7; pp. 942 - 945 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
20.07.2017
日本耳鼻咽喉科学会 |
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ISSN | 0030-6622 1883-0854 |
DOI | 10.3950/jibiinkoka.120.942 |
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Summary: | 救急外来で小児を診察する際に難しい点は, こどもは自分で自分の症状を説明することもできないことである. 最近の小児死因統計では乳幼児の死因で最も多いのは不慮の事故とされており, 親がちょっと目を離した数分間に生じやすい. 「異物誤嚥」「1. 咽頭異物」間接喉頭鏡や処置用内視鏡を用いて摘出するか, 全身麻酔下に喉頭鏡下に摘出する. 小児は処置で暴れることが多く, 下咽頭に嵌頓している異物などは取れなかったり損傷することもあるため, 状況によっては無理せず最初から全身麻酔下に摘出術を行う方がよい. また, ボタン電池(リチウム電池)は粘膜に介在すると放電し, マイナス極側にアルカリ性の液体を作ってしまうため, 30分から1時間で食道の潰瘍, 穿孔を起こすとされている. 半日介在したことで, 反回神経麻痺を生じた症例も経験しており, 早急に(4時間以内)摘出が必要である. 「2. 気道異物」2歳未満に多い. |
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ISSN: | 0030-6622 1883-0854 |
DOI: | 10.3950/jibiinkoka.120.942 |