頭頸部癌に対する強度変調放射線治療 (IMRT: Intensity-modulated radiotherapy) の歴史と今後の展望
「1. 強度変調放射線治療(IMRT)と従来の放射線治療との違い」 強度変調放射線治療(IMRT)とは, 1988年にBrahme博士らが考案した照射技術である. 定義としては「逆方向治療計画(インバースプラン)に基づき, 空間的, 時間的に不均一な放射線強度を持つ照射ビームを多方向から照射することにより, 病巣部に最適な線量分布を得る放射線治療法」となる. 詳しく述べると従来の3次元原体照射のような均一な放射線強度の照射とは異なり, リニアックの照射口付近に取り付けられているmulti-leaf collimater(MLC)を照射の際中に動かすことにより時間的・空間的に不均一な放射線強度を...
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Published in | 日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 118; no. 3; pp. 248 - 251 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
20.03.2015
日本耳鼻咽喉科学会 |
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ISSN | 0030-6622 1883-0854 |
DOI | 10.3950/jibiinkoka.118.248 |
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Summary: | 「1. 強度変調放射線治療(IMRT)と従来の放射線治療との違い」 強度変調放射線治療(IMRT)とは, 1988年にBrahme博士らが考案した照射技術である. 定義としては「逆方向治療計画(インバースプラン)に基づき, 空間的, 時間的に不均一な放射線強度を持つ照射ビームを多方向から照射することにより, 病巣部に最適な線量分布を得る放射線治療法」となる. 詳しく述べると従来の3次元原体照射のような均一な放射線強度の照射とは異なり, リニアックの照射口付近に取り付けられているmulti-leaf collimater(MLC)を照射の際中に動かすことにより時間的・空間的に不均一な放射線強度を持つ照射野を複数の方向から作成し, これを合算することで任意の線量分布図を描くことが可能となった. しかし, どのように強度変化をつけるのが適切かを人間の頭で考えることは極めて困難であるため, IMRTでは放射線治療計画用のコンピューターを用いて, あらかじめ臓器あるいはtarget毎に被曝量の上限下限などを設定し, その優先度からコンピューターに逆算させるインバースプランが行われる. |
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ISSN: | 0030-6622 1883-0854 |
DOI: | 10.3950/jibiinkoka.118.248 |