当科における小児化膿性股関節炎の治療経験

「はじめに」小児化膿性股関節炎の予後は, 発症から治療までの期間により左右されるため, 早期診断, 早期治療が大切である. 化膿性股関節炎を疑ったら関節穿刺を行い, 膿が証明されたら可及的早期に切開・排膿・洗浄を行うべきであると考えている. 平成11年3月から平成13年9月までの間, 当科及び熊本赤十字病院に於いて7例の小児化膿性股関節炎を経験した. 我々の行っている治療法及び術後の成績について報告する. 対象と結果 平成11年3月から平成13年9月までの男児4例, 女児3例, 計7例8股関節. 0歳1ヵ月~6歳(平均1.8歳). 右1例, 左5例, 両側1例. 起炎菌が検出できたのは7例中4...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 51; no. 3; pp. 659 - 662
Main Authors 渡辺, 弘之, 峯苫, 貴明, 可徳, 三博, 中島, 伸一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2002
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.51.659

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Summary:「はじめに」小児化膿性股関節炎の予後は, 発症から治療までの期間により左右されるため, 早期診断, 早期治療が大切である. 化膿性股関節炎を疑ったら関節穿刺を行い, 膿が証明されたら可及的早期に切開・排膿・洗浄を行うべきであると考えている. 平成11年3月から平成13年9月までの間, 当科及び熊本赤十字病院に於いて7例の小児化膿性股関節炎を経験した. 我々の行っている治療法及び術後の成績について報告する. 対象と結果 平成11年3月から平成13年9月までの男児4例, 女児3例, 計7例8股関節. 0歳1ヵ月~6歳(平均1.8歳). 右1例, 左5例, 両側1例. 起炎菌が検出できたのは7例中4例で, 表皮ブドウ球菌2例, MRSA1例, インフルエンザ菌1例であった. 症例1と症例4は前医で抗生剤投与を受けており, このうち症例1はWBC8500/μl, CRP2.4mg/dl, ESR15mm/hμと有意に低かったが, 他の6例では強い炎症反応を認めた(表1).
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.51.659