軸椎椎体破裂骨折の1例

「はじめに」軸椎(C2)は, その特殊な形態と機能的特性により独持の骨折型を呈する. 軸椎骨折の中で歯突起骨折や関節突起間骨折(Hangman骨折)は比較的頻度が高く, これまで病態や治療について検討がなされてきた. しかし軸椎椎体骨折, 特に椎体破裂骨折の報告は極めて稀である. 今回我々は稀な軸椎椎体破裂骨折の1例を経験したので, その受傷機転と治療法について若干の文献的考察を加えて報告する. 症例 症例:54歳, 男性 主訴:頚部痛, 後頭部痛, 両側上肢のしびれ, 筋力低下 既往歴, 家族歴:特記すべきことなし 現病歴:2004年7月, 庭木の剪定中に約3m高の脚立より転落し, 頭部と背...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 55; no. 1; pp. 18 - 21
Main Authors 釘崎, 創, 青柳, 孝彦, 大野, 晴子, 小関, 弘展, 廣田, 康宏, 野崎, 義宏, 古市, 格
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2006
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.55.18

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Summary:「はじめに」軸椎(C2)は, その特殊な形態と機能的特性により独持の骨折型を呈する. 軸椎骨折の中で歯突起骨折や関節突起間骨折(Hangman骨折)は比較的頻度が高く, これまで病態や治療について検討がなされてきた. しかし軸椎椎体骨折, 特に椎体破裂骨折の報告は極めて稀である. 今回我々は稀な軸椎椎体破裂骨折の1例を経験したので, その受傷機転と治療法について若干の文献的考察を加えて報告する. 症例 症例:54歳, 男性 主訴:頚部痛, 後頭部痛, 両側上肢のしびれ, 筋力低下 既往歴, 家族歴:特記すべきことなし 現病歴:2004年7月, 庭木の剪定中に約3m高の脚立より転落し, 頭部と背部を地面で打撲. 同日, 当科救急外来受診した. 初診時理学所見:意識清明, 血圧, 脈拍とも正常範囲内であり, 呼吸も腹式, 胸式ともに可能であった. 頭頂部と後頭部に軽度の挫創を認め, 後頚部の疼痛強く, 頚椎の自動運動不能であった. 上肢の腱反射は正常であったが, 両側上肢のしびれ(C4-Th1領域), 両側の三角筋, 上腕二頭筋, 三頭筋, 手関節および手指の伸展, 屈曲筋力がMMT3の筋力低下を認めた.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.55.18