新生児聴覚スクリーニング後の初回精密検査で一側性難聴であった児における乳幼児期の正常側聴力

要旨: 新生児聴覚スクリーニング後の初回の精密検査 (実施月齢平均3.8±1.9カ月) で一側性難聴の結果であった65例を対象に, 3歳以降の正常側の聴力レベルを調べた。3歳以降まで管理のための受診が継続していたのは42例 (65%) であり, 9例 (14%) は一側性難聴のまま受診が途絶え, 14例 (22%) は1歳未満に検査結果が両側正常化して聴力管理を終了していた。3歳以降まで継続管理された42例の初回精密検査正常側の平均聴力レベル (調査時月齢63.6±15.7カ月) は38例 (90%) が25dB 未満の正常聴力であった。4例 (10%) が難聴の結果で, 中等度難聴以上に悪化...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inAUDIOLOGY JAPAN Vol. 65; no. 3; pp. 194 - 200
Main Authors 新井, 峻, 岡田, 慎一, 小室, 久美子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本聴覚医学会 30.06.2022
日本聴覚医学会
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0303-8106
1883-7301
DOI10.4295/audiology.65.194

Cover

More Information
Summary:要旨: 新生児聴覚スクリーニング後の初回の精密検査 (実施月齢平均3.8±1.9カ月) で一側性難聴の結果であった65例を対象に, 3歳以降の正常側の聴力レベルを調べた。3歳以降まで管理のための受診が継続していたのは42例 (65%) であり, 9例 (14%) は一側性難聴のまま受診が途絶え, 14例 (22%) は1歳未満に検査結果が両側正常化して聴力管理を終了していた。3歳以降まで継続管理された42例の初回精密検査正常側の平均聴力レベル (調査時月齢63.6±15.7カ月) は38例 (90%) が25dB 未満の正常聴力であった。4例 (10%) が難聴の結果で, 中等度難聴以上に悪化した3例に補聴器装用を行った。正常側の聴力が悪化し, 児の状態が両側性難聴に変化していても保護者が気付かない例があり, 一側性難聴児における乳幼児期の聴力管理の重要性が改めて認識された。
ISSN:0303-8106
1883-7301
DOI:10.4295/audiology.65.194