「先天色覚異常の方のための色の確認表」の妥当性の検証

【目的】色覚異常者に対し、色誤認を認識させる目的で作成された「先天色覚異常の方のための色の確認表」の妥当性を検証する。【対象及び方法】120人の色覚異常者に対し、アノマロスコープを用いて対象を1型2色覚、2型2色覚、1型3色覚、2型3色覚に分類し、それぞれに対して「先天色覚異常の方のための色の確認表」を提示し、正答表数及び正答率を算出した。さらにパネルD-15を用いて、異常3色覚をパネルD-15pass群とfail群に分類して正答表数を算出し、検証を行った。【結果】1型と2型の差は見られなかったが、2色覚と異常3色覚の差は大きかった。異常3色覚の約半数が表を誤答し、2色覚では全表正解者は一人も...

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Published in日本視能訓練士協会誌 Vol. 49; pp. 205 - 210
Main Authors 宮本, 正, 塩釜(笹川), 裕子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本視能訓練士協会 2020
日本視能訓練士協会
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ISSN0387-5172
1883-9215
DOI10.4263/jorthoptic.49F203

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Summary:【目的】色覚異常者に対し、色誤認を認識させる目的で作成された「先天色覚異常の方のための色の確認表」の妥当性を検証する。【対象及び方法】120人の色覚異常者に対し、アノマロスコープを用いて対象を1型2色覚、2型2色覚、1型3色覚、2型3色覚に分類し、それぞれに対して「先天色覚異常の方のための色の確認表」を提示し、正答表数及び正答率を算出した。さらにパネルD-15を用いて、異常3色覚をパネルD-15pass群とfail群に分類して正答表数を算出し、検証を行った。【結果】1型と2型の差は見られなかったが、2色覚と異常3色覚の差は大きかった。異常3色覚の約半数が表を誤答し、2色覚では全表正解者は一人もいなかった。また、パネルD-15pass群がfail群に比べてわずかに正答率が高かったが、著明な差はなかった。【結論】「先天色覚異常の方のための色の確認表」は異常3色覚の半数、及び2色覚全員に対して色誤認を認識させることが可能であり、その妥当性は立証された。さらに、パネルD-15併用をすると、色覚異常者に対して色誤認の実用的なカウンセリングが可能になる。
ISSN:0387-5172
1883-9215
DOI:10.4263/jorthoptic.49F203