3歳児健康診査要精査児でのSpot™ Vision Screenerにおける屈折値の再現性の検討

【目的】今回、3歳児健診の精密検査のために受診した児に対して、自然瞳孔下でのSpot™ Vision Screener(SVS)における屈折値の再現性を検討した。【対象および方法】対象は3歳児7例14眼。SVSを自然瞳孔下に2回施行し、1%アトロピン点眼1日2回7日間での調節麻痺下屈折検査を実施した。等価球面屈折値(SE)、円柱屈折値(CYL)およびSEの左右差について、SVSの検査間級内相関係数を求めた。また、弱視と診断された症例がSVS屈折基準値から外れていたかを検討した。【結果】精密検査後の診断は不同視弱視3例、屈折異常弱視2例、間欠性外斜視1例、屈折異常のみ(遠視性乱視)1例であった。...

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Published in日本視能訓練士協会誌 Vol. 50; pp. 31 - 37
Main Authors 齋藤, 章子, 石龍, 鉄樹, 松野, 希望, 鈴木, 美加, 笠井, 彩香, 森, 隆史, 橋本, 禎子, 新田, 美和
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本視能訓練士協会 2021
日本視能訓練士協会
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ISSN0387-5172
1883-9215
DOI10.4263/jorthoptic.50F101

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Summary:【目的】今回、3歳児健診の精密検査のために受診した児に対して、自然瞳孔下でのSpot™ Vision Screener(SVS)における屈折値の再現性を検討した。【対象および方法】対象は3歳児7例14眼。SVSを自然瞳孔下に2回施行し、1%アトロピン点眼1日2回7日間での調節麻痺下屈折検査を実施した。等価球面屈折値(SE)、円柱屈折値(CYL)およびSEの左右差について、SVSの検査間級内相関係数を求めた。また、弱視と診断された症例がSVS屈折基準値から外れていたかを検討した。【結果】精密検査後の診断は不同視弱視3例、屈折異常弱視2例、間欠性外斜視1例、屈折異常のみ(遠視性乱視)1例であった。SVS1回目と2回目の測定の級内相関係数(95%信頼区間)はそれぞれSE 0.98(0.98-0.99)、CYL 0.90(0.73-0.97)、SEの左右差0.98(0.92-1.00)であった。日本弱視斜視学会・日本小児眼科学会が推奨するSVS屈折基準値に当てはめると、弱視と診断された5例はいずれも1回目と2回目の測定ともに要精査となっていた。【考按】SVSを用いた自然瞳孔下での屈折検査は、3歳の要精査児に対して高い再現性が見られた。SVSで測定された屈折値は視力検査の裏づけとして3歳児健診に有用であると考える。
ISSN:0387-5172
1883-9215
DOI:10.4263/jorthoptic.50F101