急性感音難聴の診断と治療
「はじめに」急性感音難聴を来す疾患として, (1) 原因不明なもの (突発性難聴, 急性低音障害型感音難聴, メニエール病), (2) 内因性・外因性の要因による, あるいは原因不明なもの (外リンパ瘻), (3) 外因性の要因によるもの (音響外傷など), (4) ウイルス感染によるもの (ムンプス難聴など) が挙げられる. 2018年に『急性感音難聴診療の手引き 2018版」 (日本聴覚医学会編) が出版されたが, 本稿では本手引きに従い概説する. 図1に一側性の急性感音難聴の診断フローチャートを示した. 「1. 突発性難聴」「1) 概念」突発性難聴は代表的な急性感音難聴であり, 他の急性...
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Published in | 日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 123; no. 1; pp. 71 - 77 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
20.01.2020
日本耳鼻咽喉科学会 |
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ISSN | 0030-6622 1883-0854 |
DOI | 10.3950/jibiinkoka.123.71 |
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Summary: | 「はじめに」急性感音難聴を来す疾患として, (1) 原因不明なもの (突発性難聴, 急性低音障害型感音難聴, メニエール病), (2) 内因性・外因性の要因による, あるいは原因不明なもの (外リンパ瘻), (3) 外因性の要因によるもの (音響外傷など), (4) ウイルス感染によるもの (ムンプス難聴など) が挙げられる. 2018年に『急性感音難聴診療の手引き 2018版」 (日本聴覚医学会編) が出版されたが, 本稿では本手引きに従い概説する. 図1に一側性の急性感音難聴の診断フローチャートを示した. 「1. 突発性難聴」「1) 概念」突発性難聴は代表的な急性感音難聴であり, 他の急性感音難聴を来す疾患 (急性低音障害型感音難聴, 聴神経腫瘍など) が除外され, なお原因不明な場合に診断される. 「2) 疫学・病態」2012年の調査 (岩手県, 愛知県, 愛媛県が対象) では, 発症は人口10万人あたり60.9人と推定された. |
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ISSN: | 0030-6622 1883-0854 |
DOI: | 10.3950/jibiinkoka.123.71 |