小児の手掌に発生したlipofibromatosisの1例

小児の小指MP関節掌側に発生したlipofibromatosisの1例を経験したので報告する.症例,8歳女児.2か月前より左小指MP関節掌側の小豆大の腫瘤に気付いた.その後2か月で2倍以上の大きさに増大したため近医受診後当院紹介となった.当科初診時,左小指MP関節掌側に径1 cm,弾性硬の腫瘤を触知した.疼痛は認めなかった.MRIではT1 low,T2で不均一にhighの辺縁不明瞭な腫瘍を認めた.炎症性腫瘤など疑い腫瘍切除施行した.腫瘍の辺縁が不明瞭であったため,周囲脂肪組織で切離摘出した.病理組織では脂肪組織と線維成分の間に短紡錘形細胞の増殖が見られ,lipofibromatosisと診断さ...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 67; no. 2; pp. 198 - 202
Main Authors 濱田, 哲矢, 田原, 慎太郎, 平岡, 弘二, 久岡, 正典, 大島, 孝一, 松田, 光太郎, 志波, 直人, 長田, 周二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.03.2018
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.67.198

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Summary:小児の小指MP関節掌側に発生したlipofibromatosisの1例を経験したので報告する.症例,8歳女児.2か月前より左小指MP関節掌側の小豆大の腫瘤に気付いた.その後2か月で2倍以上の大きさに増大したため近医受診後当院紹介となった.当科初診時,左小指MP関節掌側に径1 cm,弾性硬の腫瘤を触知した.疼痛は認めなかった.MRIではT1 low,T2で不均一にhighの辺縁不明瞭な腫瘍を認めた.炎症性腫瘤など疑い腫瘍切除施行した.腫瘍の辺縁が不明瞭であったため,周囲脂肪組織で切離摘出した.病理組織では脂肪組織と線維成分の間に短紡錘形細胞の増殖が見られ,lipofibromatosisと診断された.Lipofibromatosisは小児の手足の皮下に好発する非常にまれな腫瘍である.術後再発の多い腫瘍であることを念頭に切除する必要があり,そのためには画像による術前診断が重要である.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.67.198