当科における寛骨臼回転骨切り術の成績に影響を与える因子の検討

【はじめに】当科では臼蓋形成不全による股関節症に対して,寛骨臼回転骨切り術(以下RAO)を施行してきた.今回10年以上経過観察できたRAO症例を調査し,術後成績に影響を与える因子を検討した.【対象】35例37股,全例女性,手術時年令は38.1歳,観察期間は13年11ヵ月であった.術式は田川の原法に準じるが,骨切りを厚めに行いブロック状骨移植は行っていない.【結果】末期股関節症・THAへ移行したものは37股中6股であった.初期・進行期まででとどまっている31股を良好群,末期・THAへ移行した6股を不良群とし,両群の比較検討を行った結果,手術時のBMI,手術側股関節のJOAスコア・荷重部関節裂隙幅...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 64; no. 4; pp. 733 - 736
Main Authors 清家, 一郎, 渡邉, 弘之, 赤崎, 幸二, 相良, 孝昭, 瀬形, 建喜, 棚平, 健, 田村, 諭史, 畠, 邦晃
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2015
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.64.733

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Summary:【はじめに】当科では臼蓋形成不全による股関節症に対して,寛骨臼回転骨切り術(以下RAO)を施行してきた.今回10年以上経過観察できたRAO症例を調査し,術後成績に影響を与える因子を検討した.【対象】35例37股,全例女性,手術時年令は38.1歳,観察期間は13年11ヵ月であった.術式は田川の原法に準じるが,骨切りを厚めに行いブロック状骨移植は行っていない.【結果】末期股関節症・THAへ移行したものは37股中6股であった.初期・進行期まででとどまっている31股を良好群,末期・THAへ移行した6股を不良群とし,両群の比較検討を行った結果,手術時のBMI,手術側股関節のJOAスコア・荷重部関節裂隙幅,反対側股関節のJOAスコアで,両群間に有意差を認めた.【考察・結語】RAOの10年以上経過観察できた症例について検討した.手術時のBMI,手術側股関節のJOAスコア・荷重部関節裂隙幅,反対側股関節のJOAスコアが長期成績に影響していた.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.64.733