痙攣発作後に生じた両側肩関節後方脱臼骨折の1例
両側肩関節後方脱臼を生じ,片側に観血的整復を要した症例を経験したので報告する.症例は78歳,女性で胃癌術後にて入院加療中であった.術後5日目に意識レベル低下,痙攣があり,精査目的のCTにて右肩関節後方脱臼指摘され当科紹介となった.初診時に左肩関節は自然整復得られていた.右肩関節に非観血的整復行うも,不安定性残存し再脱臼を認めたため観血的整復固定術を行った.肩関節後方脱臼は全肩関節脱臼のうち2%以下とされている.治療法は諸説あり,脱臼整復後の不安定性,関節面損傷の有無と大きさ,小結節骨折の有無,粉砕骨折の程度,などが指標とされている.本症例では不安定性の残存した右肩関節後方脱臼に対し観血的整復固...
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Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 66; no. 2; pp. 329 - 331 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
2017
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0037-1033 1349-4333 |
DOI | 10.5035/nishiseisai.66.329 |
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Summary: | 両側肩関節後方脱臼を生じ,片側に観血的整復を要した症例を経験したので報告する.症例は78歳,女性で胃癌術後にて入院加療中であった.術後5日目に意識レベル低下,痙攣があり,精査目的のCTにて右肩関節後方脱臼指摘され当科紹介となった.初診時に左肩関節は自然整復得られていた.右肩関節に非観血的整復行うも,不安定性残存し再脱臼を認めたため観血的整復固定術を行った.肩関節後方脱臼は全肩関節脱臼のうち2%以下とされている.治療法は諸説あり,脱臼整復後の不安定性,関節面損傷の有無と大きさ,小結節骨折の有無,粉砕骨折の程度,などが指標とされている.本症例では不安定性の残存した右肩関節後方脱臼に対し観血的整復固定術を行い,短期成績であるが良好な経過が得られた. |
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ISSN: | 0037-1033 1349-4333 |
DOI: | 10.5035/nishiseisai.66.329 |