手指末節骨内に発生した類表皮嚢腫の1例

【症例】類表皮嚢腫は手指軟部組織に発生することは多いが,まれに骨内に発生する.末節骨内に発生した1例を経験したので報告する.【症例】41歳男性.12歳時に左示指を受傷し,縫合処置を受けた既往がある.1.5年前に近医で偶然示指末節骨透亮像を指摘された.半年前より特に誘因なく左示指疼痛が出現し,骨透亮像の増大を指摘され当科紹介となった.MRI検査で骨透亮部はT1強調画像で低信号,T2強調画像で高度の高信号を示し,造影効果は認めなかった.初診より1.5ヶ月後,腫瘍掻爬及び人工骨移植を行った.培養陰性で,病理学的に類表皮嚢腫と診断された.術後1年で可動域に左右差なく,疼痛も軽減し経過良好である.【考察...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 69; no. 1; pp. 154 - 156
Main Authors 井上, 三四郎, 丸塚, 浩助, 岩崎, 元気, 松延, 知哉, 阿久根, 広宣, 井上, 隆広, 菊池, 直士
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.03.2020
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.69.154

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Summary:【症例】類表皮嚢腫は手指軟部組織に発生することは多いが,まれに骨内に発生する.末節骨内に発生した1例を経験したので報告する.【症例】41歳男性.12歳時に左示指を受傷し,縫合処置を受けた既往がある.1.5年前に近医で偶然示指末節骨透亮像を指摘された.半年前より特に誘因なく左示指疼痛が出現し,骨透亮像の増大を指摘され当科紹介となった.MRI検査で骨透亮部はT1強調画像で低信号,T2強調画像で高度の高信号を示し,造影効果は認めなかった.初診より1.5ヶ月後,腫瘍掻爬及び人工骨移植を行った.培養陰性で,病理学的に類表皮嚢腫と診断された.術後1年で可動域に左右差なく,疼痛も軽減し経過良好である.【考察】本症を診断する際には,手の受傷歴を丁寧に問診することが重要である.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.69.154