鏡視下骨性バンカートと腱板修復を施行した高齢者反復性肩関節前方脱臼の1例
高齢者の反復性肩関節前方脱臼に対して,鏡視下に骨性バンカート修復と腱板修復を施行した1例を経験したので報告する.症例:67歳男性.10年前に船上で転倒し右肩を受傷した.近医を受診し,右肩関節脱臼の診断にて徒手整復を受けた.その後,容易に脱臼を繰り返すようになり,精査治療目的で当科紹介となった.初診時理学所見で右肩自動可動域は屈曲150度,外転120度と制限を認め,前方脱臼不安感テストが陽性であった.3D-CT検査では骨性バンカート損傷,MRI検査では棘上筋断裂を認めた.骨性バンカート損傷と腱板断裂の合併した反復性肩関節前方脱臼と診断し,鏡視下にてバンカート修復と腱板修復を施行した.術後の3D-...
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Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 63; no. 3; pp. 600 - 602 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
2014
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Subjects | |
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ISSN | 0037-1033 1349-4333 |
DOI | 10.5035/nishiseisai.63.600 |
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Summary: | 高齢者の反復性肩関節前方脱臼に対して,鏡視下に骨性バンカート修復と腱板修復を施行した1例を経験したので報告する.症例:67歳男性.10年前に船上で転倒し右肩を受傷した.近医を受診し,右肩関節脱臼の診断にて徒手整復を受けた.その後,容易に脱臼を繰り返すようになり,精査治療目的で当科紹介となった.初診時理学所見で右肩自動可動域は屈曲150度,外転120度と制限を認め,前方脱臼不安感テストが陽性であった.3D-CT検査では骨性バンカート損傷,MRI検査では棘上筋断裂を認めた.骨性バンカート損傷と腱板断裂の合併した反復性肩関節前方脱臼と診断し,鏡視下にてバンカート修復と腱板修復を施行した.術後の3D-CT検査では骨癒合を認め,MRIで腱板修復状態は良好であり,前方脱臼不安感テストは陰性となった.鏡視下手術は低侵襲で両病変の処置が可能であり,本病態に有用と考えられた. |
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ISSN: | 0037-1033 1349-4333 |
DOI: | 10.5035/nishiseisai.63.600 |