自然消退した硬膜内ヘルニアの一例
硬膜内ヘルニアは稀な疾患である.自然消退した一例を経験したので報告する.症例は56歳,女性.49歳時(7年前)に当院でL3/4レベルの椎間板ヘルニア(Subligamentous extrusion type)を摘出した.術中に明らかな硬膜損傷はなかった.術前の麻痺および軽度の膀胱直腸障害は術後速やかに改善した.56歳時(術後7年)に左大腿から下腿外側の痛み,しびれ,左下肢脱力が出現.徒手筋力テスト(MMT)は腸腰筋5/3,大腿四頭筋5/3,前脛骨筋5/3,長母趾伸筋5/2,長母趾屈筋5/2-と左下肢優位の低下があり,また軽度の膀胱直腸障害(頻尿)を認めた.MRI,CTMで前回手術したL3/4...
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Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 68; no. 3; pp. 578 - 581 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
25.09.2019
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Subjects | |
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ISSN | 0037-1033 1349-4333 |
DOI | 10.5035/nishiseisai.68.578 |
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Summary: | 硬膜内ヘルニアは稀な疾患である.自然消退した一例を経験したので報告する.症例は56歳,女性.49歳時(7年前)に当院でL3/4レベルの椎間板ヘルニア(Subligamentous extrusion type)を摘出した.術中に明らかな硬膜損傷はなかった.術前の麻痺および軽度の膀胱直腸障害は術後速やかに改善した.56歳時(術後7年)に左大腿から下腿外側の痛み,しびれ,左下肢脱力が出現.徒手筋力テスト(MMT)は腸腰筋5/3,大腿四頭筋5/3,前脛骨筋5/3,長母趾伸筋5/2,長母趾屈筋5/2-と左下肢優位の低下があり,また軽度の膀胱直腸障害(頻尿)を認めた.MRI,CTMで前回手術したL3/4レベルの硬膜内左側に病変を認め,椎間板腔から連続した硬膜内ヘルニアと診断した.手術を検討したが,myelography後より下肢痛が軽減,麻痺が改善し独歩可能となったため保存治療を選択した.MRIで硬膜内ヘルニアは3か月後に縮小,6か月後にほぼ消失した. |
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ISSN: | 0037-1033 1349-4333 |
DOI: | 10.5035/nishiseisai.68.578 |