大腿骨遠位後方の骨軟骨腫に膝窩動脈瘤を生じた1例

【はじめに】骨軟骨腫は日常診療で遭遇する頻度の高い良性骨腫瘍であるが,大腿骨遠位後方の骨軟骨腫に膝窩動脈瘤を生じた1例を経験したので報告する.【症例】39歳男性.腰椎椎間板ヘルニア手術歴有.趣味スポーツ.数分の運動負荷で左下腿後面痛および脱力感を自覚.明らかな神経脱落所見なく,腰椎Xp,MRIでも明らかな異常は認めなかった.左膝Xpで大腿骨遠位後方に骨軟骨腫認め,造影CTおよびMRIで骨軟骨腫近傍に膝窩動脈瘤を認めた.【考察】骨軟骨腫に合併する血管系合併機序としては軟骨帽消失による先端の鋭利化や持続圧迫,鈍的外傷等が考えられ,可動性の乏しい膝窩動脈に多いとされる.本症例ではスポーツ等で骨軟骨腫...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 69; no. 4; pp. 737 - 739
Main Authors 鎌田, 敬子, 萩, 健太朗, 木戸, 健司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.09.2020
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.69.737

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Summary:【はじめに】骨軟骨腫は日常診療で遭遇する頻度の高い良性骨腫瘍であるが,大腿骨遠位後方の骨軟骨腫に膝窩動脈瘤を生じた1例を経験したので報告する.【症例】39歳男性.腰椎椎間板ヘルニア手術歴有.趣味スポーツ.数分の運動負荷で左下腿後面痛および脱力感を自覚.明らかな神経脱落所見なく,腰椎Xp,MRIでも明らかな異常は認めなかった.左膝Xpで大腿骨遠位後方に骨軟骨腫認め,造影CTおよびMRIで骨軟骨腫近傍に膝窩動脈瘤を認めた.【考察】骨軟骨腫に合併する血管系合併機序としては軟骨帽消失による先端の鋭利化や持続圧迫,鈍的外傷等が考えられ,可動性の乏しい膝窩動脈に多いとされる.本症例ではスポーツ等で骨軟骨腫に隣接する血管に負荷がかかり,動脈瘤が生じたと考えられる.【まとめ】大腿骨遠位後方に骨軟骨腫を認める場合,膝窩動脈への血管系合併症を念頭に置く必要がある.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.69.737