人工膝関節置換術後早期に生じた大腿骨顆部骨折の4例

人工膝関節全置換術(TKA)後のインプラント周囲骨折のうち,大腿骨顆部骨折が生じた報告は少ない.今回我々はTKA術後3か月以内に同側の大腿骨顆部骨折を起こした4症例を経験したので,この原因や治療法について検討した.骨折の発生原因として,1例は高度外反の関節リウマチ(RA)症例で骨脆弱性が考えられること,また3例ではTKAの大腿骨骨切り後にトライアルインプラントを設置した際にピンで固定する操作手技により不顕性骨折を誘発しやすい状況をつくった可能性が考えられた.治療法は1例に人工膝関節再置換術を行い,3例に保存加療を選択した.最終観察時点で,全例で疼痛なく歩行が可能であったが,2例に可動域制限が残...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 68; no. 3; pp. 438 - 441
Main Authors 前原, 史朋, 村田, 雅和, 小河, 賢司, 太田, 真悟, 野中, 俊宏, 古市, 格, 朝永, 育, 杉原, 祐介
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.09.2019
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.68.438

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Summary:人工膝関節全置換術(TKA)後のインプラント周囲骨折のうち,大腿骨顆部骨折が生じた報告は少ない.今回我々はTKA術後3か月以内に同側の大腿骨顆部骨折を起こした4症例を経験したので,この原因や治療法について検討した.骨折の発生原因として,1例は高度外反の関節リウマチ(RA)症例で骨脆弱性が考えられること,また3例ではTKAの大腿骨骨切り後にトライアルインプラントを設置した際にピンで固定する操作手技により不顕性骨折を誘発しやすい状況をつくった可能性が考えられた.治療法は1例に人工膝関節再置換術を行い,3例に保存加療を選択した.最終観察時点で,全例で疼痛なく歩行が可能であったが,2例に可動域制限が残存した.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.68.438