乳癌検診における超音波検査とマンモグラフィの有用性

人間ドックにおいて視触診 (CBE), 超音波 (US) およびマンモグラフィ (MMG) の併用による乳癌検診を実施した。のべ受診者11,480名 (実受診者7,988名) に対して, 要精検者数757名 (要精検率6.6%), 精検受診者数613名 (精検受診率81.0%) で, この中から48例の乳癌が発見された。癌発見率は0.42% (対実受診者0.60%) であった。このうち早期癌は29例 (60.4%) で, 20例 (41.7%) に乳房温存術が施行された。 のべ受診者に対する年齢階層別癌発見率は, 30歳代0.04%, 40歳代0.56%, 50歳代0.44%, 60歳代0.5...

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Published in日本乳癌検診学会誌 Vol. 10; no. 3; pp. 273 - 280
Main Authors 山崎, 美樹, 那須, 繁, 井上, 幹夫, 古賀, 淳, 森, 寿治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本乳癌検診学会 2001
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ISSN0918-0729
1882-6873
DOI10.3804/jjabcs.10.273

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Summary:人間ドックにおいて視触診 (CBE), 超音波 (US) およびマンモグラフィ (MMG) の併用による乳癌検診を実施した。のべ受診者11,480名 (実受診者7,988名) に対して, 要精検者数757名 (要精検率6.6%), 精検受診者数613名 (精検受診率81.0%) で, この中から48例の乳癌が発見された。癌発見率は0.42% (対実受診者0.60%) であった。このうち早期癌は29例 (60.4%) で, 20例 (41.7%) に乳房温存術が施行された。 のべ受診者に対する年齢階層別癌発見率は, 30歳代0.04%, 40歳代0.56%, 50歳代0.44%, 60歳代0.54%で, 発見率は40歳代から急増しており, 乳癌検診は少なくとも40歳代から施行すべきと考えられた。 発見癌48例におけるCBE, US, MMGの検出率はそれぞれ33.3%, 89.6%, 70.8%であった。USはMMGに比し乳癌の検出率が高く, またUS検出例の方が早期癌比率も高かった。したがって乳癌検診においてはMMGよりもUSがより有用であるが, 見落としを防ぐためにはさらにUSとMMGの併用が望ましいと考えられた。
ISSN:0918-0729
1882-6873
DOI:10.3804/jjabcs.10.273