Direct anterior approachによるTHA術後脱臼例の検討
【目的】当院で行ったDirect anterior approach(DAA)による人工股関節全置換術(THA)の術後脱臼例を検討し,その要因と対策を検討した.【対象】2011年よりDAAで初回THAを行い,術後1年以上経過観察した98例103関節を対象とした.【結果】脱臼例は2例2股で,いずれも術後3ヵ月以内の前方脱臼であった.2例とも立位で後ろを振り向く動作の際に股関節伸展外旋位となり脱臼した.1例は立位でのcup anteversion,combined anteversionがやや強く,さらに術後ステムのsinkingを認めた例であった.2例とも脚延長量は少なめであった.【考察】脱臼例...
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Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 65; no. 4; pp. 711 - 714 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
2016
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0037-1033 1349-4333 |
DOI | 10.5035/nishiseisai.65.711 |
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Summary: | 【目的】当院で行ったDirect anterior approach(DAA)による人工股関節全置換術(THA)の術後脱臼例を検討し,その要因と対策を検討した.【対象】2011年よりDAAで初回THAを行い,術後1年以上経過観察した98例103関節を対象とした.【結果】脱臼例は2例2股で,いずれも術後3ヵ月以内の前方脱臼であった.2例とも立位で後ろを振り向く動作の際に股関節伸展外旋位となり脱臼した.1例は立位でのcup anteversion,combined anteversionがやや強く,さらに術後ステムのsinkingを認めた例であった.2例とも脚延長量は少なめであった.【考察】脱臼例は軟部組織の緊張がやや緩かったことと,立位でのcombined anteversionが強かったことが主因と考えられた.DAAの場合,伸展時の軟部組織の緊張を保ちインプラントの設置角は前捻を抑えるように調整することが重要と考える. |
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ISSN: | 0037-1033 1349-4333 |
DOI: | 10.5035/nishiseisai.65.711 |