異なった関節鏡所見を呈した滑膜性軟骨腫症の治療経験

我々は滑膜性軟骨腫症で異なった関節鏡所見2例を経験した.【症例1】22歳女性.立ち上がる際の軋轢音および左膝関節腫脹,歩行時痛を主訴に来院.屈曲制限,関節腫脹あるも圧痛点不明.穿刺で60ml淡血性関節液を採取.MRIで顆間部前内側にφ1 cm大の低輝度な充実性病変を数個認め,初診後1カ月に関節鏡を施行.ACL付着部に腫瘍性滑膜が存在,滑膜切除した.【症例2】54歳女性.1年前からの左膝腫脹,歩行時痛を主訴に来院.疼痛軽減するも水腫が残存.屈曲制限,内側膝蓋上部の圧痛を認めた.MRIで膝蓋上嚢に関節液より低輝度な2 mm大の遊離体を多数認め,初診1カ月後に関節鏡施行.同部に米粒様遊離体を数百個認...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 63; no. 2; pp. 288 - 292
Main Authors 山口, 司, 岡田, 文, 西井, 章裕, 伊東, 孝浩, 吉兼, 浩一, 大江, 健次郎, 仲西, 知憲, 田宮, 貞史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.03.2014
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.63.288

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Summary:我々は滑膜性軟骨腫症で異なった関節鏡所見2例を経験した.【症例1】22歳女性.立ち上がる際の軋轢音および左膝関節腫脹,歩行時痛を主訴に来院.屈曲制限,関節腫脹あるも圧痛点不明.穿刺で60ml淡血性関節液を採取.MRIで顆間部前内側にφ1 cm大の低輝度な充実性病変を数個認め,初診後1カ月に関節鏡を施行.ACL付着部に腫瘍性滑膜が存在,滑膜切除した.【症例2】54歳女性.1年前からの左膝腫脹,歩行時痛を主訴に来院.疼痛軽減するも水腫が残存.屈曲制限,内側膝蓋上部の圧痛を認めた.MRIで膝蓋上嚢に関節液より低輝度な2 mm大の遊離体を多数認め,初診1カ月後に関節鏡施行.同部に米粒様遊離体を数百個認め,滑膜切除とともに遊離体摘出した.両症例とも局在の不明確な疼痛,膝関節水腫を認めるも,異なった関節鏡所見であった2例で,鏡視下滑膜切除を行い,術後6カ月にて再発症状を認めず,良好に経過している.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.63.288