Weight bearing shoulderに対し鏡視下上方関節包再建術を行った1例

Weight bearing shoulderに発生した広範囲腱板断裂に対して鏡視下上方関節包再建術を行った1例を経験したので報告する.症例は65歳男性.幼少時にポリオに罹患し,後遺症として両下肢不全麻痺を認め,近年では松葉杖と車椅子を併用して生活していた.数年前より左肩痛が出現し,2015年になって疼痛が増悪し上肢の挙上が困難となり当科を受診した.自動屈曲75度,外旋0度と可動域制限を認め,MRIで広範囲腱板断裂と診断し関節鏡を施行した.鏡視所見では棘上・棘下筋腱は関節窩まで引き込まれ,引き出すことが困難であったため,大腿筋膜を採取し鏡視下上方関節包再建術を行った.術後6か月時点のMRIで再...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 66; no. 2; pp. 274 - 277
Main Authors 木村, 岳弘, 諸岡, 正明, 諸岡, 孝明, 増田, 祥男
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2017
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.66.274

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Summary:Weight bearing shoulderに発生した広範囲腱板断裂に対して鏡視下上方関節包再建術を行った1例を経験したので報告する.症例は65歳男性.幼少時にポリオに罹患し,後遺症として両下肢不全麻痺を認め,近年では松葉杖と車椅子を併用して生活していた.数年前より左肩痛が出現し,2015年になって疼痛が増悪し上肢の挙上が困難となり当科を受診した.自動屈曲75度,外旋0度と可動域制限を認め,MRIで広範囲腱板断裂と診断し関節鏡を施行した.鏡視所見では棘上・棘下筋腱は関節窩まで引き込まれ,引き出すことが困難であったため,大腿筋膜を採取し鏡視下上方関節包再建術を行った.術後6か月時点のMRIで再断裂は認めず,JOA scoreは術前の48点から91.5点へと改善した.可動域は自動屈曲135度,自動外旋30度へと改善し,push up運動も痛みなく可能である.本症例では短期の治療成績は良好であるが,weight bearing shoulderでは移植腱にかかる負荷が大きいため,長期的に経過観察が必要である.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.66.274