小児大腿骨小転子裂離骨折の1例

小児大腿骨小転子裂離骨折は報告例が少なく比較的稀な疾患である.今回我々は本骨折を経験したので報告する.症例:13歳男児 サッカー中にボールを蹴ろうとして空振りし,その直後より左股関節痛出現したため同日当科を受診した.現症:左鼠径部に強い自発痛,圧痛を認め,伸展および自動SLRは疼痛のため不能であった.単純X線,CT:左大腿骨小転子の骨端離開を認め,近位へ約1 cmの転位を認めた.治療経過:左股関節軽度屈曲位での安静臥床を1週間行い,以後免荷にて離床開始し,受傷2週後より徐々に荷重歩行を許可した.受傷後3か月目に良好な骨癒合とともにスポーツ復帰しており,受傷後6か月目の現在,特に問題は生じていな...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 64; no. 2; pp. 191 - 194
Main Authors 重留, 広輔, 田中, 憲治, 吉田, 史郎, 白濱, 善彦, 加藤田, 倫宏, 塚本, 祐也, 坂井, 健介, 神保, 幸太郎, 山下, 寿, 吉田, 健治, 志波, 直人, 下河邉, 久雄, 江崎, 佑平
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2015
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.64.191

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Summary:小児大腿骨小転子裂離骨折は報告例が少なく比較的稀な疾患である.今回我々は本骨折を経験したので報告する.症例:13歳男児 サッカー中にボールを蹴ろうとして空振りし,その直後より左股関節痛出現したため同日当科を受診した.現症:左鼠径部に強い自発痛,圧痛を認め,伸展および自動SLRは疼痛のため不能であった.単純X線,CT:左大腿骨小転子の骨端離開を認め,近位へ約1 cmの転位を認めた.治療経過:左股関節軽度屈曲位での安静臥床を1週間行い,以後免荷にて離床開始し,受傷2週後より徐々に荷重歩行を許可した.受傷後3か月目に良好な骨癒合とともにスポーツ復帰しており,受傷後6か月目の現在,特に問題は生じていない.〈まとめ〉小児における大腿骨小転子裂離骨折の報告は1%以下と比較的少なく,13歳前後のボールを蹴るスポーツに多く発作し,治療は保存的治療で約3か月でスポーツに復帰出来ると思われた.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.64.191