股関節に巨大結節を形成した色素性絨毛結節性滑膜炎の1例

【はじめに】色素性絨毛結節性滑膜炎(以下PVS)は稀な疾患である.股関節に巨大結節を形成したPVSの1例を経験したので報告する.【症例】35歳女性.8年前より,特に誘因なく右股関節痛が出現.自宅で経過を見ていたが,1週間前に他医を受診し,単純X線像にて右股関節破壊を認め,当院紹介受診した.MRIで右股関節に多発する腫瘤性病変を認め,右大転子背側には手拳大の巨大な腫瘤性病変を認めた.腫瘤切除+右股人工関節全置換術を施行した.術中に摘出した腫瘤は9×8.6×2.5cm大であり,病理診断では滑膜にヘモジデリン沈着を認め,PVSと診断した.術後3年時点では再発なく経過良好である.【考察】関節破壊が高度...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 62; no. 3; pp. 616 - 619
Main Authors 藤田, 秀一, 原, 正光, 里村, 匡敏, 末永, 賢也, 田中, 孝明, 香月, 一朗, 川本, 泰作, 田山, 尚久
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.09.2013
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.62.616

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Summary:【はじめに】色素性絨毛結節性滑膜炎(以下PVS)は稀な疾患である.股関節に巨大結節を形成したPVSの1例を経験したので報告する.【症例】35歳女性.8年前より,特に誘因なく右股関節痛が出現.自宅で経過を見ていたが,1週間前に他医を受診し,単純X線像にて右股関節破壊を認め,当院紹介受診した.MRIで右股関節に多発する腫瘤性病変を認め,右大転子背側には手拳大の巨大な腫瘤性病変を認めた.腫瘤切除+右股人工関節全置換術を施行した.術中に摘出した腫瘤は9×8.6×2.5cm大であり,病理診断では滑膜にヘモジデリン沈着を認め,PVSと診断した.術後3年時点では再発なく経過良好である.【考察】関節破壊が高度であり,関節温存は患者のADLの面からも困難であった.股関節PVSは早期診断が重要であり,原因不明の股関節痛を有する若年者における鑑別診断として股関節PVSを常に念頭に置くことが必要である.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.62.616