先天性近位橈尺骨癒合症に対する前腕骨の3次元変形解析
【目的】先天性近位橈尺骨癒合症の前腕骨と正常前腕骨の3次元骨モデルを用いて3次元変形解析を行った.【対象と方法】21例30肢,平均年齢6.4才を対象とし,専用ソフトウエアを用いて橈骨と尺骨の3次元骨表面モデルを正常骨モデルに重層させ,橈尺屈・内外旋・伸展屈曲変形の解析を行った.また,臨床での回内強直位とそれぞれの変形の相関について検討した.【結果】橈骨は正常骨に比べて尺屈変形(平均6.6°),屈曲変形(平均4.5°),内旋変形(平均1.7°)を認め,屈曲変形のみ回内強直位と相関を認めた(r2=0.68).尺骨は橈屈変形(平均3.9°),伸展変形(平均2.7°),内旋変形(平均33.4°)を認め...
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Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 64; no. 2; pp. 328 - 331 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
2015
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0037-1033 1349-4333 |
DOI | 10.5035/nishiseisai.64.328 |
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Summary: | 【目的】先天性近位橈尺骨癒合症の前腕骨と正常前腕骨の3次元骨モデルを用いて3次元変形解析を行った.【対象と方法】21例30肢,平均年齢6.4才を対象とし,専用ソフトウエアを用いて橈骨と尺骨の3次元骨表面モデルを正常骨モデルに重層させ,橈尺屈・内外旋・伸展屈曲変形の解析を行った.また,臨床での回内強直位とそれぞれの変形の相関について検討した.【結果】橈骨は正常骨に比べて尺屈変形(平均6.6°),屈曲変形(平均4.5°),内旋変形(平均1.7°)を認め,屈曲変形のみ回内強直位と相関を認めた(r2=0.68).尺骨は橈屈変形(平均3.9°),伸展変形(平均2.7°),内旋変形(平均33.4°)を認め,回内強直位と橈屈変形には弱い相関(r2=0.43)が,伸展変形および内旋変形には相関(r2=0.50)があった.【考察】本症は尺骨の内旋変形が強く,回内強直位と相関を認めた.回内強直位が強い例では,橈尺骨の分離矯正骨切り術に加えて尺骨の矯正骨切り術を加える必要があると思われた. |
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ISSN: | 0037-1033 1349-4333 |
DOI: | 10.5035/nishiseisai.64.328 |