鏡視下治療を行った鎖骨遠位端骨融解症の1例
稀な鎖骨遠位端骨融解症の1例を経験したので,文献的考察を加えて報告する.症例:30歳,男性.主訴:左肩痛.現病歴:約10 kgの荷物の積み降ろし作業を左手で行っていた.3ヵ月前より左肩痛が出現したため,近医でMRI検査施行し,肩鎖関節に異常陰影を認め,ステロイド注射を1回施行,数日効果あったものの疼痛が再燃したため当科紹介となった.現症:左肩鎖関節に軽度の腫脹と圧痛・運動痛を認めたが発赤はなく,JOA scoreは72点であった.血液検査所見:CRPは陰性であった.画像所見:単純X線で左肩鎖関節の関節裂隙拡大と鎖骨遠位端の骨融解像を認め,MRIで左肩鎖関節内,左鎖骨遠位端に高信号域を認めた.以...
Saved in:
Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 66; no. 2; pp. 326 - 328 |
---|---|
Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
2017
|
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0037-1033 1349-4333 |
DOI | 10.5035/nishiseisai.66.326 |
Cover
Summary: | 稀な鎖骨遠位端骨融解症の1例を経験したので,文献的考察を加えて報告する.症例:30歳,男性.主訴:左肩痛.現病歴:約10 kgの荷物の積み降ろし作業を左手で行っていた.3ヵ月前より左肩痛が出現したため,近医でMRI検査施行し,肩鎖関節に異常陰影を認め,ステロイド注射を1回施行,数日効果あったものの疼痛が再燃したため当科紹介となった.現症:左肩鎖関節に軽度の腫脹と圧痛・運動痛を認めたが発赤はなく,JOA scoreは72点であった.血液検査所見:CRPは陰性であった.画像所見:単純X線で左肩鎖関節の関節裂隙拡大と鎖骨遠位端の骨融解像を認め,MRIで左肩鎖関節内,左鎖骨遠位端に高信号域を認めた.以上より左鎖骨遠位端骨融解症と診断し,鏡視下に鎖骨遠位端切除術を施行した.病理所見は,鎖骨遠位端骨融解症に矛盾しない所見であった.術後,左肩痛は消失しJOA score 98点と改善した. |
---|---|
ISSN: | 0037-1033 1349-4333 |
DOI: | 10.5035/nishiseisai.66.326 |