ビスフォスフォネート製剤長期内服患者に生じた両側大腿骨転子下非定型骨折の1例

ビスフォスフォネート製剤(以下,BP製剤)長期内服患者における大腿骨転子下や大腿骨骨幹部のいわゆる非定型骨折(以下,AFF;atypical femoral fracture)が数多く報告されている.今回我々はBP製剤長期内服患者で両側同時に大腿骨転子下骨折を生じた1例を経験したので報告する.症例は78歳,女性.強皮症に対し,近医皮膚科で2007年からプレドニゾロンが開始となり,2010年からBP製剤が追加されていた.2017年12月に風で飛ばされた帽子を追いかけようと駆け出した際に転倒し,両大腿部痛のため当院へ救急搬送された.単純X線像で両側大腿骨転子下骨折を認め,髄内釘による観血的骨接合術...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 68; no. 4; pp. 653 - 655
Main Authors 宮崎, 信, 有馬, 嵩博, 浦上, 勝, 吉野, 孝博, 中島, 三郎, 寺本, 周平, 棚平, 健, 沼田, 亨祐
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.09.2019
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.68.653

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Summary:ビスフォスフォネート製剤(以下,BP製剤)長期内服患者における大腿骨転子下や大腿骨骨幹部のいわゆる非定型骨折(以下,AFF;atypical femoral fracture)が数多く報告されている.今回我々はBP製剤長期内服患者で両側同時に大腿骨転子下骨折を生じた1例を経験したので報告する.症例は78歳,女性.強皮症に対し,近医皮膚科で2007年からプレドニゾロンが開始となり,2010年からBP製剤が追加されていた.2017年12月に風で飛ばされた帽子を追いかけようと駆け出した際に転倒し,両大腿部痛のため当院へ救急搬送された.単純X線像で両側大腿骨転子下骨折を認め,髄内釘による観血的骨接合術を施行した.術後は低出力超音波パルス(以下,LIPUS;low-intensity pulsed ultrasound)およびテリパラチドを使用し,術後12ヶ月の現在骨癒合も得られ経過は良好である.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.68.653