若年者の大腿骨頚部疲労骨折の2例

若年者の大腿骨頚部疲労骨折を2例経験したので報告する.〈症例1〉33歳男性,特に誘引なく,起立動作で右股関節痛が出現した.MRIで右大腿骨頚部骨折を認め,手術を施行した.〈症例2〉29歳男性,特に誘引なく,起立動作や階段昇降時に左股関節痛が出現した.MRIで左大腿骨頚部骨折を認め,手術を施行した.両者とも自動車製造業に従事しており,スポーツ習慣はない.現在は両者とも抜釘術を行い,経過良好で就労復帰している.大腿骨頚部疲労骨折は比較的頻度の低い疾患である.骨折型によっては転位や大腿骨頭壊死に至る可能性があるため,十分な注意が必要である.日常診療において,特に誘引のない股関節痛の場合には鑑別疾患の...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 68; no. 3; pp. 480 - 482
Main Authors 田村, 裕昭, 川嶌, 眞人, 本山, 達男, 嵐, 智哉, 渡邊, 祐介, 川嶌, 眞之, 古江, 幸博, 永芳, 郁文, 後藤, 剛, 佐々木, 聡明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.09.2019
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.68.480

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Summary:若年者の大腿骨頚部疲労骨折を2例経験したので報告する.〈症例1〉33歳男性,特に誘引なく,起立動作で右股関節痛が出現した.MRIで右大腿骨頚部骨折を認め,手術を施行した.〈症例2〉29歳男性,特に誘引なく,起立動作や階段昇降時に左股関節痛が出現した.MRIで左大腿骨頚部骨折を認め,手術を施行した.両者とも自動車製造業に従事しており,スポーツ習慣はない.現在は両者とも抜釘術を行い,経過良好で就労復帰している.大腿骨頚部疲労骨折は比較的頻度の低い疾患である.骨折型によっては転位や大腿骨頭壊死に至る可能性があるため,十分な注意が必要である.日常診療において,特に誘引のない股関節痛の場合には鑑別疾患の1つとして念頭に置く必要がある.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.68.480