大腿骨転子部骨折骨接合術後に骨頭下骨折をきたした1例

【はじめに】大腿骨転子部骨折術後に骨頭下骨折が生じることは比較的稀とされる.今回我々は大腿骨転子部骨折に対して骨接合術を行い術後に大腿骨骨頭下骨折を発症した1例を経験したため報告する.【症例】86歳女性,屋外で転倒後歩行困難な状態となり当院へ救急搬送された.単純X線では左大腿骨転子部骨折(Jensen分類3型)を認め,受傷後9日目でshort femoral nailで観血的骨接合術を行った.術後5週目で回復期病院へ転院となった.術後10ヶ月目より誘因なく左股関節痛を自覚し歩行困難な状態となったため当院受診となった.単純X線で大腿骨転子部骨折は骨癒合しており骨頭下骨折を認めたためnailは抜釘...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in整形外科と災害外科 Vol. 66; no. 4; pp. 838 - 841
Main Authors 柴田, 達也, 鈴木, 正弘, 真田, 京一, 尾上, 英俊, 廣田, 高志, 柴田, 光史, 中村, 厚彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2017
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.66.838

Cover

More Information
Summary:【はじめに】大腿骨転子部骨折術後に骨頭下骨折が生じることは比較的稀とされる.今回我々は大腿骨転子部骨折に対して骨接合術を行い術後に大腿骨骨頭下骨折を発症した1例を経験したため報告する.【症例】86歳女性,屋外で転倒後歩行困難な状態となり当院へ救急搬送された.単純X線では左大腿骨転子部骨折(Jensen分類3型)を認め,受傷後9日目でshort femoral nailで観血的骨接合術を行った.術後5週目で回復期病院へ転院となった.術後10ヶ月目より誘因なく左股関節痛を自覚し歩行困難な状態となったため当院受診となった.単純X線で大腿骨転子部骨折は骨癒合しており骨頭下骨折を認めたためnailは抜釘し人工股関節全置換術を行った.摘出した大腿骨頭の病理組織像は大腿骨頭壊死の所見であった.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.66.838