小児の上腕骨外顆骨折に伴った肘関節後方脱臼の1例
小児の肘外傷に伴う肘関節脱臼は多くは骨折を合併することで生じ,骨折を伴わない単独脱臼は非常に稀である.骨折は上腕骨内顆骨折がもっとも多く,その他に上腕骨外顆,尺骨鉤状突起,肘頭などもあるがいずれも稀である.今回,6歳小児の上腕骨外顆骨折に伴った肘関節後方脱臼の1例を経験した.手術室搬入前にMRIを撮影できたことで上腕骨骨端線離開との鑑別診断が可能であり,正確な診断のもと,同日に後方脱臼に対する徒手整復術と上腕骨外顆骨折(Milch 2型)に対する観血的整復固定術を施行した.後療法は術後3週間の上腕からのギプスシーネ固定を行った.受傷後6か月の最終調査時ROMは伸展0°/屈曲145°,回内90°...
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Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 66; no. 1; pp. 101 - 104 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
2017
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0037-1033 1349-4333 |
DOI | 10.5035/nishiseisai.66.101 |
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Summary: | 小児の肘外傷に伴う肘関節脱臼は多くは骨折を合併することで生じ,骨折を伴わない単独脱臼は非常に稀である.骨折は上腕骨内顆骨折がもっとも多く,その他に上腕骨外顆,尺骨鉤状突起,肘頭などもあるがいずれも稀である.今回,6歳小児の上腕骨外顆骨折に伴った肘関節後方脱臼の1例を経験した.手術室搬入前にMRIを撮影できたことで上腕骨骨端線離開との鑑別診断が可能であり,正確な診断のもと,同日に後方脱臼に対する徒手整復術と上腕骨外顆骨折(Milch 2型)に対する観血的整復固定術を施行した.後療法は術後3週間の上腕からのギプスシーネ固定を行った.受傷後6か月の最終調査時ROMは伸展0°/屈曲145°,回内90°/回外90°,異所性骨化や転位なく骨癒合を得た. |
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ISSN: | 0037-1033 1349-4333 |
DOI: | 10.5035/nishiseisai.66.101 |