チェンジャブルネックを用いたTHAにおける術後脱臼の検討

チェンジャブルネックを用いたTHAでは術中にインピンジメントを回避できるため,脱臼を予防できる可能性がある.今回このシステムを用いたTHAの術後脱臼について調査したので報告する.2006年8月から2013年4月までの間にProfemurシリーズを用いてTHAを行い術後6ヵ月以上観察できた327関節を対象とした.手術アプローチは後方が312関節,側方が15関節,骨頭径は28mmが169関節,32mm以上が158関節であった.骨頭径別の脱臼率や,脱臼例の詳細などを調査した.脱臼が6関節(1.83%)に発生していた.28mm径での脱臼率は3.55%であった.28mm群と32mm以上群に分けて脱臼率を...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 63; no. 4; pp. 696 - 699
Main Authors 本田, 祐造, 石井, 孝子, 中島, 武馬, 竹内, 潤, 北原, 博之, 山田, 周太, 宮路, 剛史, 前田, 和成, 小西, 宏昭, 土井口, 祐一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2014
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.63.696

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Summary:チェンジャブルネックを用いたTHAでは術中にインピンジメントを回避できるため,脱臼を予防できる可能性がある.今回このシステムを用いたTHAの術後脱臼について調査したので報告する.2006年8月から2013年4月までの間にProfemurシリーズを用いてTHAを行い術後6ヵ月以上観察できた327関節を対象とした.手術アプローチは後方が312関節,側方が15関節,骨頭径は28mmが169関節,32mm以上が158関節であった.骨頭径別の脱臼率や,脱臼例の詳細などを調査した.脱臼が6関節(1.83%)に発生していた.28mm径での脱臼率は3.55%であった.28mm群と32mm以上群に分けて脱臼率を比較すると,32mm以上群で有意に脱臼が少なかった(P<0.05).脱臼例は全例後方アプローチで28mm骨頭径であり,その多くが脱臼のリスクファクターを持っていた.結果としては後方アプローチでのTHAにおいて,チェンジャブルネックの使用と28mm骨頭径では術後脱臼を減らすことはできなかったが,32mm以上の骨頭の使用やチェンジャブルネックに対する習熟でさらに脱臼を予防できると思われた.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.63.696