寛骨臼回転骨切り術後の脚短縮の検討

当院では臼蓋形成不全性股関節症に対して寛骨臼回転骨切り術(RAO)を施行している.当院でのRAOは田川の原法に準じるが,寛骨臼の壊死を避けるために骨切りは厚めに行い骨癒合を優先し骨移植は行っていない.これまで施行した300例近くのRAO症例でも寛骨臼壊死や骨癒合の遷延,偽関節などは1例も発生していない.ただし寛骨臼後方の薄い骨切り部が上方へ回ってくるために多少の脚短縮が起こっているものと考えられ,脚短縮が術後経過に悪影響を及ぼしている懸念もある.今回,単純X線写真において患側と健側を比較することによって脚短縮量を測定し,術後の脚短縮に関連する因子と脚短縮が術後経過に及ぼす影響に関して術直後と術...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 64; no. 4; pp. 730 - 732
Main Authors 清家, 一郎, 渡邉, 弘之, 赤崎, 幸二, 相良, 孝昭, 瀬形, 建喜, 棚平, 健, 田村, 諭史, 畠, 邦晃
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2015
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.64.730

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Summary:当院では臼蓋形成不全性股関節症に対して寛骨臼回転骨切り術(RAO)を施行している.当院でのRAOは田川の原法に準じるが,寛骨臼の壊死を避けるために骨切りは厚めに行い骨癒合を優先し骨移植は行っていない.これまで施行した300例近くのRAO症例でも寛骨臼壊死や骨癒合の遷延,偽関節などは1例も発生していない.ただし寛骨臼後方の薄い骨切り部が上方へ回ってくるために多少の脚短縮が起こっているものと考えられ,脚短縮が術後経過に悪影響を及ぼしている懸念もある.今回,単純X線写真において患側と健側を比較することによって脚短縮量を測定し,術後の脚短縮に関連する因子と脚短縮が術後経過に及ぼす影響に関して術直後と術後1年それぞれについて検討を行ったので報告する.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.64.730