変形性股関節症の手術のタイミングをコントロールする歩行バランス法の試み

目的:変形性股関節症患者の手術の回避・延期を目的として従来のCKC外転筋力訓練とROM拡大のための8の字ゆらしによる「歩行バランス法」に今回,骨盤調整訓練を取り入れた.方法:2010年1月から2011年3月までに変形性股関節症と診断され歩行バランス法を施行した293名の外来通院患者の中で統計解析可能だった95名を対象とした.治療開始時と3ヵ月後にJOAスコアー,NRS,ROM,Patrickテストでの開脚角度を評価した.両側例群では,疼痛の強い関節を評価した.結果:男性13例,女性82例,平均年齢57.5±10.6歳であった.X線分類ではK/L grade 1が39例,K/L grade 2が...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 64; no. 4; pp. 856 - 859
Main Authors 甲斐, 尚仁, 中庭, 大介, 林, 和生, 春口, 幸太郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2015
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.64.856

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Summary:目的:変形性股関節症患者の手術の回避・延期を目的として従来のCKC外転筋力訓練とROM拡大のための8の字ゆらしによる「歩行バランス法」に今回,骨盤調整訓練を取り入れた.方法:2010年1月から2011年3月までに変形性股関節症と診断され歩行バランス法を施行した293名の外来通院患者の中で統計解析可能だった95名を対象とした.治療開始時と3ヵ月後にJOAスコアー,NRS,ROM,Patrickテストでの開脚角度を評価した.両側例群では,疼痛の強い関節を評価した.結果:男性13例,女性82例,平均年齢57.5±10.6歳であった.X線分類ではK/L grade 1が39例,K/L grade 2が13例,K/L garde 3が31例,K/L grade 4が12例であった.JOAスコアーにおいてはK/L grade 1, 2,3で,NRSとPatrick開脚角度においてはK/L grade 1, 2, 3,4で有意な改善が見られた.結論:手術の回避・延期につながる本プログラムの短期効果が得られた.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.64.856