小児上腕骨顆上骨折に対する経皮的鋼線刺入術におけるKirschner-wireを埋没する方法と露出する方法との比較

目的:小児上腕骨顆上骨折に対する経皮的鋼線刺入術(pinning)においてKirschner-wire(K-wire)の手元を皮下に埋没する方法と皮膚上に露出する方法の利点と欠点を検討した.対象と方法:当院において2008-2016年に本骨折に対してpinningを実施した66例を対象とした.受傷時年齢は平均6.0歳(1-13歳)であった.K-wireを埋没する群(埋没群)と露出する群(露出群)とで手術所見(手術時間,整復状態),治療予後(骨癒合,肘関節可動域),合併症,通院・入院・手術回数を後ろ向きに比較した.結果:埋没群32例,露出群34例であった.手術所見と治療予後は両群で有意差はなかっ...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 68; no. 2; pp. 202 - 205
Main Authors 前, 隆男, 加藤, 剛, 小林, 孝巨, 屋良, 卓郎, 小宮, 紀宏, 塚本, 伸章
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.03.2019
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.68.202

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Summary:目的:小児上腕骨顆上骨折に対する経皮的鋼線刺入術(pinning)においてKirschner-wire(K-wire)の手元を皮下に埋没する方法と皮膚上に露出する方法の利点と欠点を検討した.対象と方法:当院において2008-2016年に本骨折に対してpinningを実施した66例を対象とした.受傷時年齢は平均6.0歳(1-13歳)であった.K-wireを埋没する群(埋没群)と露出する群(露出群)とで手術所見(手術時間,整復状態),治療予後(骨癒合,肘関節可動域),合併症,通院・入院・手術回数を後ろ向きに比較した.結果:埋没群32例,露出群34例であった.手術所見と治療予後は両群で有意差はなかった.一方,K-wire刺入部感染は露出群に10例,K-wire突出痛は埋没群に7例発生した.埋没群では全例2回入院と抜釘手術を要したが,外固定期間が短く,通院回数も少なかった.結論:埋没法は追加入院と再手術が必要だがK-wire刺入部感染が少ない点で有用である.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.68.202