寛骨臼骨折術後感染の治療経験

寛骨臼骨折の観血的整復内固定後に感染を生じた2例を経験したので報告する.症例1は59歳男性.両柱骨折に対して前方後方複合アプローチで内固定を行った.術中にMorel-Lavallee lesionを認識し,デブリードマンとドレナージを行った.術後16日目に同部位に再貯留した血腫を除去したが,その後にMRSA感染を生じた.再度,デブリードマンと局所陰圧閉鎖療法,抗生剤投与を行い感染は深部に至ることなく鎮静化した.症例2は43歳男性.両柱骨折に対して前方アプローチで内固定を行った.術後3週経過時に37.5℃ の発熱と股関節痛の増強を認め,CTで骨盤腔内に膿瘍形成が疑われたため緊急でデブリードマンと...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 65; no. 2; pp. 231 - 233
Main Authors 崎村, 幸一郎, 中原, 信一, 衛藤, 正雄, 内山, 迪子, 福島, 達也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2016
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.65.231

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Summary:寛骨臼骨折の観血的整復内固定後に感染を生じた2例を経験したので報告する.症例1は59歳男性.両柱骨折に対して前方後方複合アプローチで内固定を行った.術中にMorel-Lavallee lesionを認識し,デブリードマンとドレナージを行った.術後16日目に同部位に再貯留した血腫を除去したが,その後にMRSA感染を生じた.再度,デブリードマンと局所陰圧閉鎖療法,抗生剤投与を行い感染は深部に至ることなく鎮静化した.症例2は43歳男性.両柱骨折に対して前方アプローチで内固定を行った.術後3週経過時に37.5℃ の発熱と股関節痛の増強を認め,CTで骨盤腔内に膿瘍形成が疑われたため緊急でデブリードマンと抗生剤投与を行い感染は鎮静化した.いずれも早い段階で術後感染を疑い速やかに外科的デブリードマンを行うことができたためインプラントを抜去せずに感染を鎮静化することができたと考える.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.65.231