ローラー損傷に合併した上肢コンパートメント症候群の3例

• Published in: 整形外科と災害外科 Vol. 69; no. 3; pp. 522 - 524
• Main Authors: 井上, 三四郎, 増田, 圭吾, 岩崎, 元気, 田中, 宏毅, 阿久根, 広宣, 井上, 隆広, 菊池, 直士, 川本, 浩大, 泊, 健太, 中村, 良
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 西日本整形・災害外科学会 25.09.2020
• Subjects: コンパートメント症候群; デグロービング損傷; ローラー損傷
• ISSN: 0037-1033; 1349-4333
• DOI: 10.5035/nishiseisai.69.522

【目的】コンパートメント症候群は典型的な症状・徴候が早期に出現せず，診断・治療に躊躇することがある．ローラー損傷に合併した上肢コンパートメント症候群の3例を経験したので報告する．【症例】症例1.41歳女性．職場でローラーに巻き込まれ受傷．骨傷・血管障害．手指運動感覚障害・他動伸展時痛なく，橈骨動脈触知良好で経過観察した．受傷翌日水泡形成を認め，内圧測定で上昇あり．減張切開施行した．症例2.43歳男性．芋掘り機に右前腕を挟まれ受傷．右前腕腫脹・緊満感や手指運動感覚障害あり．内圧測定で上昇あり，同日減張切開を施行した．症例3.79歳男性．芋掘り機に右上肢を巻き込まれ受傷．上肢デグロービング損傷及び母指・示指開放骨折あり．同日骨接合術施行．術中内圧測定で上昇あり減張切開施行した．【考察】臨床所見や内圧所見も重要であるが，病歴・受傷起点を正確に把握し総合的に判断することが必要である．