頸椎手術後の髄液漏により頭蓋内硬膜下血腫を生じた1例

頸椎手術後の髄液漏により頭蓋内硬膜下血腫を生じた1例を経験した.症例は77歳女性で頸椎後縦靭帯骨化症(以下OPLL)に対して頸椎椎弓形成術をおこなった.術後1ヵ月で頭痛,複視の訴えあり近医脳外科受診,頭蓋内硬膜下血腫の診断で同日緊急血腫除去術を施行された.その後の精査で後頸部に偽性髄膜瘤を指摘され,低髄圧に伴い頭蓋内硬膜下血腫が発生したことが疑われた.その後経過観察していたが,偽性髄膜瘤の改善がないため血腫除去術から6週後に髄液漏の閉鎖術をおこない症状の改善をえた.現在,術後1年経過したが,再発所見なく神経症状も改善がえられた.頸椎術後の偽性髄膜瘤により低髄圧が持続し,頭蓋内硬膜下血腫が生じた...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 62; no. 1; pp. 203 - 205
Main Authors 井上, 三四郎, 高野, 祐護, 横田, 和也, 阿久根, 広宣, 宇都宮, 健, 井ノ口, 崇, 菊池, 直士, 宮崎, 幸政
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.03.2013
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.62.203

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Summary:頸椎手術後の髄液漏により頭蓋内硬膜下血腫を生じた1例を経験した.症例は77歳女性で頸椎後縦靭帯骨化症(以下OPLL)に対して頸椎椎弓形成術をおこなった.術後1ヵ月で頭痛,複視の訴えあり近医脳外科受診,頭蓋内硬膜下血腫の診断で同日緊急血腫除去術を施行された.その後の精査で後頸部に偽性髄膜瘤を指摘され,低髄圧に伴い頭蓋内硬膜下血腫が発生したことが疑われた.その後経過観察していたが,偽性髄膜瘤の改善がないため血腫除去術から6週後に髄液漏の閉鎖術をおこない症状の改善をえた.現在,術後1年経過したが,再発所見なく神経症状も改善がえられた.頸椎術後の偽性髄膜瘤により低髄圧が持続し,頭蓋内硬膜下血腫が生じたと思われる症例を経験したので,これを報告する.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.62.203