高度遠視における屈折異常弱視の視力・両眼視機能の予後
目的:高度遠視における屈折異常弱視について、視力と両眼視機能の予後、またその予後に関与する因子につき検討する。 方法:2002年6月から2007年6月までの5年間に、兵庫医科大学病院眼科を受診した初診時年齢8歳以下で、等価球面度数+6.00D以上の高度遠視を認めた屈折異常弱視13例26眼(平均初診時年齢4.8歳、平均屈折値+7.45D)を対象とした。方法は、調節麻痺薬による完全屈折矯正の眼鏡を装用させ、定期的に字ひとつ視力測定を行った。両眼視機能の評価には大型弱視鏡とTitmus Stereo Testを用いた。検討項目は最終視力、視力改善期間、両眼視機能とし、それに関与する因子としては初診時...
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| Published in | 日本視能訓練士協会誌 Vol. 38; pp. 171 - 175 |
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| Main Authors | , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
公益社団法人 日本視能訓練士協会
2009
日本視能訓練士協会 |
| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0387-5172 1883-9215 |
| DOI | 10.4263/jorthoptic.38.171 |
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| Summary: | 目的:高度遠視における屈折異常弱視について、視力と両眼視機能の予後、またその予後に関与する因子につき検討する。 方法:2002年6月から2007年6月までの5年間に、兵庫医科大学病院眼科を受診した初診時年齢8歳以下で、等価球面度数+6.00D以上の高度遠視を認めた屈折異常弱視13例26眼(平均初診時年齢4.8歳、平均屈折値+7.45D)を対象とした。方法は、調節麻痺薬による完全屈折矯正の眼鏡を装用させ、定期的に字ひとつ視力測定を行った。両眼視機能の評価には大型弱視鏡とTitmus Stereo Testを用いた。検討項目は最終視力、視力改善期間、両眼視機能とし、それに関与する因子としては初診時年齢、視力、等価球面度数、眼位、最終時字づまり視力とした。 結果:全例で字ひとつ視力は1.0を獲得した。視力改善期間は平均1年4か月、両眼視機能は大型弱視鏡では全例立体視を獲得、Titmus Stereo Testでは平均221secであった。初診時視力、等価球面度数と視力改善期間には相関があり、初診時視力が悪いほど、遠視が強いほど視力改善に長期間を要した。眼位と両眼視機能の関係では有意差は認められなかったが、内斜位症例で両眼視が悪い傾向にあった。 結論:高度遠視における屈折異常弱視の最終視力は良好であったが、正常両眼視の獲得は必ずしも良好ではなかった。 |
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| ISSN: | 0387-5172 1883-9215 |
| DOI: | 10.4263/jorthoptic.38.171 |