ホルモン療法が著効した前立腺癌の腰椎硬膜外転移の一例
前立腺癌の硬膜外転移に対してホルモン療法を行い,短期間に腫瘍の縮小がみられた1例を経験したので報告する.【症例】80歳,男性【現病歴】体動困難な腰痛・右下肢痛のため,当院に救急搬送された.右下腿外側から足背にかけての痛覚低下を認め,右前脛骨筋が2レベルと低下していた.腰椎MRIでは,L5椎体背側にφ2cm程のT1高信号,T2低信号の硬膜外病変を認めた.血液生化学所見ではALP 3030IU/l,PSA 57.7ng/mlと高値を示し,骨盤CTで前立腺異常を指摘された.泌尿器科にて前立腺癌と診断されたため,前立腺癌の腰椎硬膜外転移(による右L5根症)と診断し,ホルモン療法を開始した.ホルモン療法...
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Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 56; no. 2; pp. 242 - 245 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
2007
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Subjects | |
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ISSN | 0037-1033 1349-4333 |
DOI | 10.5035/nishiseisai.56.242 |
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Summary: | 前立腺癌の硬膜外転移に対してホルモン療法を行い,短期間に腫瘍の縮小がみられた1例を経験したので報告する.【症例】80歳,男性【現病歴】体動困難な腰痛・右下肢痛のため,当院に救急搬送された.右下腿外側から足背にかけての痛覚低下を認め,右前脛骨筋が2レベルと低下していた.腰椎MRIでは,L5椎体背側にφ2cm程のT1高信号,T2低信号の硬膜外病変を認めた.血液生化学所見ではALP 3030IU/l,PSA 57.7ng/mlと高値を示し,骨盤CTで前立腺異常を指摘された.泌尿器科にて前立腺癌と診断されたため,前立腺癌の腰椎硬膜外転移(による右L5根症)と診断し,ホルモン療法を開始した.ホルモン療法開始後3日で腰下肢痛は軽減し,右前脛骨筋は4レベルに改善した.10日後のMRIでは,腫瘍は著明に縮小していた.半年後のMRIでも腫瘍の縮小は維持され,疼痛の再燃や神経学的所見の悪化は認めていない. |
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ISSN: | 0037-1033 1349-4333 |
DOI: | 10.5035/nishiseisai.56.242 |