散弾銃創の経験

日本では, 猟, クレー射撃などでの散弾銃の所持が許可されているため, 事件, 事故により散弾銃創を治療する可能性はある. 今回我々は2007年12月に佐世保市のスポーツジムで発生した散弾銃乱射事件の被害者の治療を経験した. 当院に搬送された被弾者は4例で, 1例は死亡, 3例は待機的に散弾摘出を行った. 1例はすべて摘出できたが, 2例は全摘困難であり一部残存した. 散弾銃創における治療, 合併症について報告する. 「はじめに」日本における銃による外傷の報告は稀であるが, 我々は, 散弾銃乱射事件により4例の散弾銃創を経験した, 散弾銃創における, 摘出の適応, 合併症について考察し, 今回...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 58; no. 1; pp. 82 - 84
Main Authors 中川, 憲之, 田中, 智顕, 花田, 麻須大, 寺本, 全男, 久我, 尚之, 萩原, 博嗣, 河村, 好香
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2009
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.58.82

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Summary:日本では, 猟, クレー射撃などでの散弾銃の所持が許可されているため, 事件, 事故により散弾銃創を治療する可能性はある. 今回我々は2007年12月に佐世保市のスポーツジムで発生した散弾銃乱射事件の被害者の治療を経験した. 当院に搬送された被弾者は4例で, 1例は死亡, 3例は待機的に散弾摘出を行った. 1例はすべて摘出できたが, 2例は全摘困難であり一部残存した. 散弾銃創における治療, 合併症について報告する. 「はじめに」日本における銃による外傷の報告は稀であるが, 我々は, 散弾銃乱射事件により4例の散弾銃創を経験した, 散弾銃創における, 摘出の適応, 合併症について考察し, 今回行った治療について報告する. 「症例」症例1 30代男性. 殿部に2発, 背部に1発認めた. この症例では, 比較的浅いところであったため, 受傷4日後に腰麻と局麻で散弾3発すべて摘出できた. 症例2 小学生. 左下肢に4発, 背部に1発, 右下肢に6発の計11発認め, 膝窩部など深部にも認めた. 受傷3日後に全麻にて11発中8発摘出できたが, 残り3発は深く, 摘出困難であり残存した.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.58.82