大腿骨内顆骨折に対して対側の腓骨遠位ロッキングプレートを使用した1例

大腿骨内顆骨折(AO分類33-B2)は稀な骨折であり,現在同部の解剖学的形状に合うプレートは存在しない.今回,我々は対側の腓骨遠位ロッキングプレート(Biomet A.L.P.S. Distal Fibula Plating System)を使用した1例を経験し,良好な治療成績を得たので報告する.症例は77歳女性.川岸の階段を降りる際に転落し,右膝を捻って受傷.単純X線およびCTにて右大腿骨内顆骨折を認めた.受傷後2日目に対側の腓骨遠位ロッキングプレートを用いて固定を行った.術中の固定性は良好で,術後5週より1/3部分荷重を開始し,10週から全荷重,12週で独歩退院となった.術後7ヶ月の最終観...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in整形外科と災害外科 Vol. 65; no. 4; pp. 769 - 772
Main Authors 沖本, 信和, 石渕, 晃人, 古子, 剛, 福原, 志東, 有田, 忍, 石倉, 透, 馬場, 賢治, 赤星, 正二郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2016
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.65.769

Cover

More Information
Summary:大腿骨内顆骨折(AO分類33-B2)は稀な骨折であり,現在同部の解剖学的形状に合うプレートは存在しない.今回,我々は対側の腓骨遠位ロッキングプレート(Biomet A.L.P.S. Distal Fibula Plating System)を使用した1例を経験し,良好な治療成績を得たので報告する.症例は77歳女性.川岸の階段を降りる際に転落し,右膝を捻って受傷.単純X線およびCTにて右大腿骨内顆骨折を認めた.受傷後2日目に対側の腓骨遠位ロッキングプレートを用いて固定を行った.術中の固定性は良好で,術後5週より1/3部分荷重を開始し,10週から全荷重,12週で独歩退院となった.術後7ヶ月の最終観察時,膝の可動域は伸展-10°,屈曲140°と良好であった.本骨折に対して対側の腓骨遠位ロッキングプレートを用いた固定は治療の選択肢の1つとなり得ると考えられた.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.65.769