変形性肘関節症を呈した多発性軟骨性外骨腫症の1例
【はじめに】多発性軟骨性外骨腫の好発部位は膝関節周囲・上腕骨近位・橈骨遠位であり,関節変形の原因となることが多い.特に尺骨遠位部の外骨腫では尺骨の短縮を生じやすく,手関節の尺屈変形の原因となる.尺骨骨幹部に生じた外骨腫により橈骨のbowingが起こり,橈骨頭が亜脱臼し変形性肘関節症を呈した1例を経験した.【症例】55歳,男性.幼少時に多発性外骨腫と診断されていた.数年前より右肘関節痛が出現.右尺骨骨幹部に外骨腫を認め,それに伴う橈骨のbowingおよびMadelung様変形を認めた.右手関節の症状はなく,保存療法が無効であったため,右橈骨頭切除による関節形成術を行った.術後,肘関節痛は著明に改...
Saved in:
Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 62; no. 1; pp. 178 - 181 |
---|---|
Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
25.03.2013
|
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0037-1033 1349-4333 |
DOI | 10.5035/nishiseisai.62.178 |
Cover
Summary: | 【はじめに】多発性軟骨性外骨腫の好発部位は膝関節周囲・上腕骨近位・橈骨遠位であり,関節変形の原因となることが多い.特に尺骨遠位部の外骨腫では尺骨の短縮を生じやすく,手関節の尺屈変形の原因となる.尺骨骨幹部に生じた外骨腫により橈骨のbowingが起こり,橈骨頭が亜脱臼し変形性肘関節症を呈した1例を経験した.【症例】55歳,男性.幼少時に多発性外骨腫と診断されていた.数年前より右肘関節痛が出現.右尺骨骨幹部に外骨腫を認め,それに伴う橈骨のbowingおよびMadelung様変形を認めた.右手関節の症状はなく,保存療法が無効であったため,右橈骨頭切除による関節形成術を行った.術後,肘関節痛は著明に改善し,肘関節可動域は伸展-5→0度,屈曲135→145度,回内30→60度,回外45→80度となり,JOA score65点→87点と改善し,現在職場復帰している.上記の症例に対し文献的考察を加え報告する. |
---|---|
ISSN: | 0037-1033 1349-4333 |
DOI: | 10.5035/nishiseisai.62.178 |